ピンチを“機会”に変える――魔法の言葉を紹介しようボクの不安が「働く力」に変わるとき(1/3 ページ)

仕事をしているとさまざまな「ネガティブな出来事」が起こるもの。嫌な気持ちを切り替える「魔法の言葉」で、ピンチを機会に変えましょう。

» 2013年06月12日 11時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]

竹内義晴(たけうち ・よしはる)

 1971年生まれ。経営者、教師、コンサルタント、コーチ、カウンセラーなど、リーダー層を支えるビジネスコーチ。人材育成コンサルタント。

 自身がプレッシャーの多い職場で精神的に追い込まれる中、リーダーを任される。人や組織を育てるには、マネジメントの手法だけでは太刀打ちできないことを痛感。優れたリーダーたちが使う卓越したコミュニケーションスキルを学び、実践。チームの変革に成功する。実践の経験から、難しいコミュニケーションスキルを誰もが現場ですぐに使えるようにした独自の手法「トライアングルコミュニケーションモデル」を考案。実践的なコミュニケーション方法を伝えるコミュニケーショントレーナー。

 米国NLP協会認定NLPトレーナー、NPO法人しごとのみらい理事長。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(こう書房)、『イラッとしたときのあたまとこころの整理術―仕事に負けない自分の作り方』(ベストブック)がある。

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 毎日楽しく仕事がしたい……。これはきっと、多くの人が望んでいることでしょう。

 けれども、実際の仕事は楽しいことばかりではありません。「仕事が思うようにいかなかった」「上司から叱られた」「顧客が無理な要求を言ってくる」など、いくつかのネガティブな出来事があります。

 そんなときに思うのが「あ〜、もっと○○にすれば良かったのに……」という過去の反省や「くそぉ、何でオレ(ワタシ)ばっかり叱られるんだろう」という怒りです。過去を振り返って未来の糧にするのはとても大切なことですが、過去を振り返れば振り返るほど、あの嫌なシーンが思い浮かんだり、罵倒される声が聞こえたりして嫌な気分に戻ってしまう……。あなたにもこんな経験がありませんか?

 このようなシーンで大切だと言われているのがプラス思考やポジティブシンキングです。「ピンチはチャンスだと考えよう」……確かに、物事を肯定的に捉えるのはとても大切なことです。しかし、実際にはそれがなかなかできません。

 そこで今回は、仕事でネガティブな気持ちを抱いたときに気持ちを切り替え、ピンチを機会に変えるための便利な「魔法の言葉」をいくつか紹介しましょう。

「魔法の言葉」とは?

 言葉には、実際にそうでなくても言葉に発することで「そういう気持ちにさせる力」があります。例えば、自分の考えや企画を上司や顧客に提案するとき、受け入れてもらえるか誰しもが緊張するものです。そんなとき、「大丈夫」という言葉を自分に対してつぶやいて、気持ちを落ち着かせていることがあります。

 ここで言う「魔法の言葉」とは、仮に気持ちがネガティブな状態にあるときでも取りあえず言葉にしてしまうことで、ネガティブな気持ちから前向きな意識へと導いてくれる便利な言葉のことです。

 これから紹介する「魔法の言葉」の威力に気が付いたのは、テレビのスポーツ番組を見ていたときのこと。不利な条件に追い込まれたスポーツ選手、それを応援している私たち視聴者。選手が追い込まれていればいるほど、私たちも気持ちが沈みそうになります。それに対して、スポーツ番組のアナウンサーや解説者は、私たちの気持ちを前向きに導きます。しかも無理に前向きにさせるわけではなく、不利な条件を受け入れた上である言葉をきっかけに意識を前向きにさせてくれるのです。

 アナウンサーや解説者だけではなく、優れた成果を出しているさまざまな人の言葉使いをしばらく観察してみました。すると「魔法の言葉」を使って、不利な条件を前向きに変える共通したパターンがあることに気が付き始めました。

 それがどんな共通点だったのかは、後半でお話しましょう。

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