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» 2013年07月09日 10時30分 UPDATE

仕事に負けない、頭と心の整理術:同僚を前向きにリードする3つのコミュニケーション (1/3)

何だか落ち込んでいる様子の同僚を前向きにリードするには? 日常のコミュニケーションで使える3つのポイントで紹介します。

[竹内義晴,Business Media 誠]

編集部からのお知らせ

職場で起こっているさまざまな問題を取り上げながら、メンタルを整えて「自分にとって働きやすい職場」を作っていくヒントを記したのが、『イラッとしたときのあたまとこころの整理術―仕事に負けない自分の作り方』(竹内義晴 著)です。本連載では、同著の一部を加筆・修正し、掲載しています。


 本連載『仕事に負けない、頭と心の整理術』ではこれまで、職場で起こっているさまざまな問題を取り上げながら、ご自身のメンタルの整え方や職場でのコミュニケーションについてお話してきました。

 今回は、同僚を前向きにリードするコミュニケーションについてです。

 同僚を前向きにリードするためには、

 (1)まず、ねぎらいの言葉から

 (2)「出来事」と「解釈」を分けて伝える

 (3)同僚やスタッフに伝える情報の質を高める

 の3つのポイントを意識してみましょう。

(1)まず、ねぎらいの言葉から

 ネガティブな状況に陥っている人なら誰でも、できるだけ早くよりよい状況に変わることを望んでいます。また周囲で見ている私たちも心配なので、できるだけ早くネガティブな状況から抜け出して欲しいと願い、ポジティブな言葉をかけたいと思います。

 しかしよかれと思ってかけているポジティブな言葉も、ネガティブな状況に陥っている人が聞くと、意外と傷ついてしまうことがあります。

 例えば仕事上でミスをしてしまい、かなり落ち込んでいるときに「失敗は成功のもとだよ。これを機会だと捉えて前向きに考えようよ」と言われたら、「そんなことは分かっているよ。それができないから困っているんじゃないか!」という怒りの気持ちが湧いてきます。あなたもこのような経験をしたことがあるかもしれません。

 ポジティブな言葉も大切ですが、その前にこのつらさや悔しさを分かってほしいし、寄り添ってほしいのですよね。

 私には小学生と保育園児の2人の娘がいるのですが、長女の誕生日に「スーパーマリオブラザーズ」のソフトをプレゼントしました。長女はさすがに小学生。すぐにコツをつかんで次々とステージをクリアしていきます。私も少しやらせてもらったのですが、全然クリアすることができません。何度か続けているうちにイライラしてきて、「ああ、全然上手くできない。こんなゲーム、もうやめてやる」と言いました。

 すると、そばにいた保育園児の娘は、私にこう言いました。

 「パパ、分かるよ。私も、いつもそこで失敗するもの」

 私はこう声をかけられたとき、なんとも言えない安心感を抱きました。「この子は私の気持ちを分かってくれたんだな。そうか、上手く行かないのは自分だけじゃないんだな……」と。

 ネガティブな状況に陥っている人には、無理にポジティブな言葉をかける前に、まず、寄り添ってあげましょう。最も寄り添ってくれていると感じられるのは「ねぎらい」の言葉をかけられたときです。

 「ねぎらい」には、「相手の存在や労苦をいたわること」という意味があります。日常でよく使うねぎらいの言葉と言えば、「おつかれさまでした」ですね。

 ネガティブな状況に置かれている同僚にどんな言葉をかけたらねぎらうことができるのでしょうか。それを見つけるのはなかなか難しいですよね。「ねぎらい」の言葉は、視点を「現在」から、「過去」に向けると見つけやすいです。ネガティブな状況に置かれている同僚の過去に思いをはせて、どんな気持ちで過ごしてきたのか、どんな労苦があったのかを考えてみるのです。

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 例えば、レストランのフロアで働くスタッフAさんは顧客から受けた料理の注文を誤り、別の料理を出してしまいました。Aさんはお客様から「頼んだ料理と違うじゃないか!」とクレームを受け、調理係からは「せっかく作ったのに料理が無駄になっちゃったじゃないか。しっかりしろよ!」と叱咤されました。営業時間内は気丈に振る舞っていたAさんも、仕事を終えるとかなり落ち込んでいる様子です。このようなシーンで、Aさんにどのように声をかけたらいいのでしょうか。

 「Aさん、いつも言っているのに何度言ったら分かるの? ちゃんとやってもらわなきゃ困るんだよ。料理も無駄になっちゃうし」と叱咤することで、Aさんは成長するかもしれませんが、過去の労苦に思いをはせたらこんな言葉が浮かんできました。

 「Aさん、今までお客様に喜んでもらおうとがんばってきたのに、お客さんから指摘されてショックだったでしょう。優れたスタッフほどさまざま失敗を経験しているものだよ。今日の経験が、明日のお客さんの笑顔を作るんじゃないかな」

 「この気持ちを分かってくれた」と思うからこそ、「よし、明日はお客様やほかのスタッフに迷惑を掛けないように頑張ろう!」という気持ちになるのだと思います。

 ポジティブな言葉をかける前にねぎらいの言葉があることで、落ち込んだ「心のレベルゲージ」がゼロに戻ってきます。また相手と心が通じはじめ、ポジティブなメッセージも受け取ってもらいやすくなります。

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