ノートPCではダメなのかという検討と並行にA社が進めたのが、セキュアなファイル共有サービスの導入だった。
iPadに必要なファイルを社内でコピーしてから、客先に持っていく方法もある。しかし、そのやり方では前述した導入効果の一部(残業時間の削減など)は達成できなかっただろうし、ユーザーからは面倒くさいと不評を買い、iPadの普及自体もできなかったかもしれない。
Dropboxなど安価で利用できるファイル共有サービスもあるが、企業で使うにはセキュリティ面で不安がある(実際に事故もあった)。かといって、社内にファイルサーバを立てて、それをモバイルで使わせるのは導入も管理も面倒だ。
そこでA社では、有償のクラウドサービスを検討した。
検討のポイントは以下の通り。
以上を満たしていたのが、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の「SmartBiz+」というファイル共有サービスだった。CTCといえば大手独立系ベンダーであり、サービス価格は高いように思うが、一番安かったようだ。
まあこの手のサービスは日進月歩で、価格も下降傾向。導入を検討している会社は検討ポイントを参考にしてみてはどうだろう。中には要らない機能もあるだろう。
以上、結構なノウハウだと思う。安価で、セキュアで、設定が利用部門でもできるようなサービスであれば、例えば営業部で導入することも可能だ。
勝手に導入するのはコンプライアンス上問題があるだろうが、上記の11ポイントを満たしているサービスであれば、社内稟議を通すのは難しくないだろう。稟議書にはもちろん4つの導入効果も書く必要がある。
さて、A社は建築デザインを手掛けているので、パースや平面図など、顧客と未来のイメージを共有するためのツールがたくさんある。
ところが、そういうツールが少ない業種もあります。例えばIT企業など。特に、企業向けのシステムを受託開発しているところや、運用をアウトソーシングしている会社などは、見せるものがあまりない。
そこでついつい文字や細かい図の多い資料を持参して、顧客の不評を買うことになる。デモプログラムを作って、実際に顧客に見せている会社も多い。しかし、いきなり画面を見せても何がうれしいのかさっぱり分からないというケースも多いのも事実だ。
商談のおいてはコンテンツ(商談ツール)がとても重要となる。しかし、どんなコンテンツが効果的なのか? どの会社も結構分かっていないようだ。
そこで手前味噌になりますが、私ども333営業塾では、以下のセミナーを開催している。
宣伝用の告知サイトではありますが、多少ヒントになることも「ちら見せ」しているので、よければ参照いただきたい。
告知サイトへの誘導だけだと申し訳ない気もするので、ヒントも書いておく。
できるだけ文字を使わず絵や写真を中心にすることで、相手を商談に集中させて営業マンが常に主導権を握れるように作る。この観点からすると、たくさんの文字や細かい絵が多いツールは、商談には向かない(ただし、ハンドアウトとしてはOK)ということが分かるかと思う。顧客が読むことに集中して営業マンの言葉が耳にはいらなくなるからだ。
※この記事は、誠ブログの価値と信用を高める自分軸入門:iPadを使った営業改革のための4つの導入効果と11の検討ポイントより転載、編集しています。
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