世界基準で「チーム」を考える――セレッソ大阪がトッププレイヤーを生み出し続ける理由ベストチーム・オブ・ザ・イヤー(2/3 ページ)

» 2014年07月03日 11時00分 公開
[ベストチーム・オブ・ザ・イヤー]

――指導者間でのノウハウはどうやって残しているのでしょう。口頭ベース、またはそれぞれの経験値なのでしょうか?

大熊: われわれがディスカッションしてきたノウハウは、結果として実際の選手たちに残っていきます。「このタイプの選手は最初はあまりうまくいかない、でも育成する中で、こういうふうに変わっていった」というように。そこに教本はなく、選手の存在自体が育成ノウハウの集積になっています。

 ノウハウの継承、つまり自分自身がいなくなっても同じものが残っていくことが大事なことだと言っています。それが難しいことだからこそ、ベースになるものを今しっかりと築いていく。築いたものをしっかり伝え続けていくことが大事だと思っています。

宮本: クルマの燃費も常に向上していくように、日本のサッカーが強くなるほど育成能力も上げていかなければなりません。私たちと同じような育成システムを目指しているクラブがあるかもしれませんが、いかに育成方針がブレずに、資金面も含め、長く続けることができるのか。その覚悟が必要です。

 常にPDCAを回しながら、到達点を考えていく。その到達点も上の能力が上がれば、さらに上がっていきます。例えば、柿谷のような日本代表選手が出てくるようになると、当然全体のクオリティーも上がっていくことになります。

 今、私たちは日本である程度高いレベルまできたと思っていますが、世界的に見ればまだまだです。うちが、バルサに毎年人を送れますか? と言われても送れない。でもバルサの育成部門は、毎年バルサに人を送っているわけですから。

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