誰しも「もう1人自分がいてくれたらな」と思う場面はあるもの。しかし、自分が2人いたところで、自分は自分。仕事の優先順位を付けたり、時間の管理や情報の整理を工夫することが重要なのです。
この連載は書籍『ポケット版「のび太」という生きかた』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。
勉強も運動も苦手でぐうたらしてばかりののび太。でも、映画版で大活躍し、しずかちゃんと結婚し――、実は人生の成功者だったのです。そんなのび太から、無理せずに自分らしく生きて夢まで叶えてしまう方法を学んでみませんか?
本書では、のび太から学べる人生の成功法則を「のび太メソッド」と提唱し、全部で37つ紹介しています。
・完璧をいきなり目指さない
・かっこいい自分を想像する
・直感で判断。とにかく動き出す
・夢は叶うと信じ切る
・自分より、まず他人の幸せを望む・「愛する存在」で心を強くする
など。
この「のび太メソッド」は、どんなダメな奴でも夢が叶う魔法の法則です。みなさんの人生にも役立つヒントがたくさん詰まった1冊です。
テストや仕事の締め切りが目前に迫り、大慌てしたことはありませんか? あらかじめしっかりと計画を立てて準備すればいいのですが、なかなかそうはいかないのが人間の悲しい性というものです。あれもこれもとやることが山積みになって、どれから手をつけていいか分からない――。そんなとき「もう1人自分がいてくれたらな」と考えたことはありませんか?
のび太も同じことを考え、ドラえもんのひみつ道具でその願いを実現することに成功しています。でも、もし本当にいくつものことが同時にできたらどうなるでしょうか?
「半分の半分のまた半分……」
のび太とドラえもんがチャンネル争いをしていると、テレビを半分にしたらどうかとママに言われます。その言葉にドラえもんは納得し、ひみつ道具「半分こ刀」でテレビを2台にバッサリ。少し小さくなったけれども、自分たちの好きな番組を十分に見ることができました。
ただ、しずちゃんと一緒に宿題をする約束もしていたので、のび太は「半分こ刀」で自分を切って、半分がしずちゃんのところに行きました。でも途中でジャイアンから強引に野球に誘われたので、さらに半分である4分の1がジャイアンに応じることに。でも、残りの4分の1も、おじさんがなくしたコンタクトレンズを一緒に探すために、さらに半分にカット。しずちゃんの家に着いたときには8分の1になりました。
最後は分割したのび太たちがしずちゃんの家に集まって宿題を開始するも、「いーや、ぜったいにぼくのほうが正しい」とか「おまえごうじょうだぞ!!」とか「うるさい。だまれ、ちび!!」とか、お互いののび太が強情を張って、最後にはしずちゃんから「自分同士でけんかするのやめて!!」と怒鳴られる始末でした。『ドラえもん(42)(てんとう虫コミックス)』小学館 より
この作品が語っているように、自分が2人いたところで、結局自分は自分です。いずれにしても、半分になった自分が考えることも「もう1人自分がいてくれたら……」。
人は同時に2つのことをしなければいけない状況に追い込まれるものです。でも、この作品のように自分を増やせたとしても、やることも増えてしまうので、いつかは破たんしてしまいます。
現代のように社会が複雑、スピード化し、競争が厳しくなっている職場環境では、瞬時の判断力と実践力が必要とされます。そのためには、時間の管理や情報の整理が問われるほか、仕事の優先順位をつけることも重要な要素でしょう。仕事が重なるのはままあるもの、そこでいかに対処できるかがこれから求められる姿です。「ねこの手も借りたい」ということわざがありますが、協力してくれるのは誰でもいいというわけではないともいえます。
「半分こ刀」に頼ることなく、そのときにできることを最善を尽くしてやり遂げたいものです。
人手を集めるよりも、やり方を改善しよう。
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