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» 2015年01月07日 10時00分 UPDATE

ナレッジワーキング!!:見慣れた景色から「発見」を見つけ出す方法

「ラッキーカラーは赤だよ!」と言われると、いつもの通勤路でも「やたらと赤が多いな」と意識し始めてしまいます。これをカラーバス効果と呼びます。

[永田豊志,Business Media 誠]

 「カラーバス効果」という心理学用語を聞いたことはありますか? 直訳すれば「色を浴びる」という意味ですが、特定のモノを意識するとそれに関連したが自然と目に飛び込んでくるようになるというものです。

 例えば、「ラッキーカラーは赤だよ!」と言われると、いつもの通勤路でも「やたらと赤が多いな」と意識するようなケースです。物事を強く意識することによって、これまで見逃していたものが浮かび上がって見え、新たな気付きを得られるのです。

本当に日本は少子化なのか?

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 筆者には2歳になる息子がいます。生まれてくる前は「少子化といわれているし、子供は少ないんだろうな」と勝手に思っていたのですが、子供ができて周りの景色は一変しました。街で多くの赤ちゃんや小さな子供を連れた親子を発見するようになりました。正直、こんなに子供が多いとは……、本当に少子化なのでしょうか?

 さまざまなお店でファミリー向けの設備やグッズに目が行くようになり、世の中には非常に多くのファミリー向けのサービスがあることに驚かされました。これまで意識してなかったものです。これも一種の「カラーバス効果」です。

 カラーバス効果という言葉の意味を理解することが本稿の主題ではありません。それよりも、自分にとって重要なテーマ、課題を「本当に強く意識していますか?」という投げかけをしたいのです。

日常風景の中に商売のネタは山ほど転がっている

一休.com 一休.com

 「何かビジネスのネタがないか?」――そう強く意識する起業家であれば、ニュースから身の回りで起こるささいな事象すべてが商売のネタになるはずです。

 ビデオ屋からの返却と延滞金の督促状を受け取ったあるビジネスパーソンは、延滞の生まれないビジネスモデルを思い付きました。DVDレンタルやストリーミング配信サービスを行うネットフリックスです。また、商売のネタを探して新宿の高級ホテルの明かりの消えた部屋を眺めていた起業家は、高級ホテル予約サイト「一休.com」を生み出しました。

 「ビジネスのネタ」という課題が強く意識されなければ、単なる個人的なフラストレーションや世間話のネタで終わっていたようなささいな出来事。しかし、普段は見過ごしている何気ない日常風景の中にも、商売のネタは山ほど転がっているのです。

 それでも気付かない人が大勢いる。それは「強く意識しているか、どうか」ということです。自分にとっての現在の課題をキーワードやテーマとして、もっと強く、強く意識しましょう。そうすれば、何気ない家族との会話の中にも、いつも立ち寄る書店の書棚にも、見慣れた通勤路にも課題を解決する新しい「発見」が待ち受けています。

モチベーションに強く影響する「ラダー効果」

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 カラーバス効果と近いコンセプトに「ラダー効果」というものもあります。これは、以前から知っていたことでも意味合いが変化すれば、その人にとっての価値が変わるというものです。

 筆者の子育て生活でいえば、単に生活を守る存在で縁遠かった消防車やパトカーが、乗り物が大好きな子供のあやしアイテムになったり、壊れたiPhoneやデジカメがゴミからちょっとした知育グッズになったりしました。

 ラダー効果を仕事に応用すれば、やる気向上に大いに役立ちます。例えば、顧客と直接の接点のない仕事に従事している人はモチベーションの維持が難しいものです。自分がやっている仕事が最終的にどのように顧客(あるいは社会)の役に立っているのか、ビジネス循環の中で自分が果たしている役割は何なのかということを強く意識することで、同じ作業が色あせた単純作業から、鮮やかなやりがいのある高い価値の業務に見えてくるものです。

 今回は、何げない日常の中にも強く意識することで「新たな発見」があり、普段見ているものの中に違う意味合いを持たせることで「モチベーションアップ」を生み出す心理効果を紹介しました。つまり、自分を変えると景色は違って見えるということ。環境ばかりを変えようとしないで2015年という新たな年を新たな視点、新たな価値観で眺めてみませんか?

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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