波及効果は期待せずに淡々と行動を仕事効率アップのカギはかたづけにあり

孫子の「一点集中全面展開」という有名な言葉があります。片づけは地味な行動ですが集中して行うことで効果が出てくれば、さまざまなやる気につながります。

» 2015年03月26日 05時00分 公開
[企業実務]

月刊誌「企業実務」とは

Photo

企業実務」は、経理・総務・人事部門の抱える課題を解決する月刊誌。仕事を進める上で必要な実務情報や具体的な処理の仕方を正確に、分かりやすく、タイムリーにお届けします。1962年の創刊以来、理論より実践を重んじ、“すぐに役立つ専門誌”として事務部門の業務を全面的にバックアップ。定期購読はこちら

 本記事は、企業実務のコンテンツ「仕事効率アップのカギは片付けにあり」から一部抜粋・編集して掲載しています。


Photo マンガ:青木秀一

 ある会社で研修をしたときのこと。「これから3週間、デスクにはPCだけが置かれた状態で帰宅しましょう」と、目標となる状況を設定しました。

 そのとき課長が一言。「こんな簡単なことの繰り返しで効果があるんですか? なんなら、もう1つ行動を増やしたり、もっと難易度の高い行動に取り組みますよ」

 それでもとりあえず同社は目標の状況に絞って行動を開始することになりました。

 3週間後、半信半疑だった課長と話す機会がありました。すると、「例の行動は予想通り簡単にできましたよ。ただ、想定外のことが起こりました」と言います。常にデスクが散らかっている部下が1週間前から机の上を整頓し始めたり、数年間手つかずだった書庫の一部分がなぜか片づいていた、というのです。

 1つのことに取り組むのは一見地味ですが、波及効果が現われることがあります。

  1. 別の行動への波及(デスクの片づけ→書類の整理)
  2. 他の場所への波及(デスクの上→書庫)
  3. 周りの人への波及(課長→部下)

 1は「できた」という達成感が嬉しさに変わって他も片づけたくなるという効果、2は1カ所が片づいたことで散らかっている所に対する違和感が生じる効果、3は「私も片づけよう」と周りが触発される効果。

 孫子の「一点集中全面展開」という有名な言葉がありますが、意識を向ける優先順位はまず「今日やる行動」(1点)に集中すること、次に「明日やる行動」、そして3番目に「その結果や効果」です。

 つまり、こうした波及効果は期待せず、「小さな行動を淡々と行う」のがポイント。その結果として効果が出てくれば、さまざまなやる気につながっていきます。

著者プロフィール:小松 易(こまつやすし)

Photo

日本初の片付け士。「“片付け”を通じて人生を変える」をコンセプトに、経営者や企業向けのコンサルティングや研修を行っている。著書にベストセラー『たった1分で人生が変わる片付けの習慣』(中経出版)ほか。スッキリ・ラボ


マンガ著者プロフィール:青木秀一(あおきしゅういち)

マンガ・プロダクション アウチ!代表。マンガ冊子、マンガパンフレット、マンガチラシなど紙・Web問わず広告・宣伝のためのマンガ企画・制作を行なっている。マンガプロダクション アウチ!


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ