「追加料金」を発生しないようにしたら、葬儀社が大きくなった水曜インタビュー劇場(葬儀公演)(3/6 ページ)

» 2015年08月05日 06時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

葬儀の現場に足を運ばない

土肥: お客さんが「どこに問い合わせればいいのか、さっぱり分からない」という問題?

八田: はい。価格を比較することはできるけれど、葬儀費用の相場が分からない。なので「どこの葬儀社を選べばいいのか、さっぱり分からない」という声が多かった。

 そうした課題を解決するために、再びビジネスモデルを転換しました。葬儀に必要なサービスや物品がありますよね。例えば、祭壇、ドライアイス、位牌など。原価をすべて調べ上げ、適正価格を算出しました。そして、それぞれの費用を提示して、Webサイトにパッケージ価格を表示して発売しました。そのとき発売したのが、葬儀は行わないけれど自宅での供養飾り一式が含まれた「小さな火葬式」(18万8000円:割引価格)。

 当社が提示する価格で受注が入れば、提携した葬儀社へ業務を委託するという仕組みなんですよ。

土肥: あっ、だから葬儀の現場に足を運ばないということですね。

八田: はい。掲載型の課金から始まって、次に送客件数による従量課金にしました。ここまでは「紹介業」だったのですが、2009年に「小さな火葬式」を始めてからは「葬儀社」になりました。

 夜の10時になんとかリリースしたところ、その2時間後に初受注がありました。そのとき「なんとかなる!」と手応えを感じたスタッフも多かったのではないでしょうか。以降、葬儀件数、売り上げともに昨対比で成長を続けることができています。

土肥: 葬儀の請負をされて、急成長されているようですが、最大の要因はどのように分析されていますか?

八田: 高齢化、核家族化、地域住民との関係の希薄化などが影響して、葬儀が小規模化しているのではないでしょうか。これまでの葬儀は「高過ぎた」という声もあって、これからは「葬儀単価は減少するのでは」という意見もあります。こうした市場環境のほかに、「分かりやすさ」もあるのかもしれません。

土肥: 例えば?

ユニクエスト・オンラインのオフィス。葬儀会社というよりもIT企業の雰囲気が漂う

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