2015年度の玩具市場規模、前年度比99%の8003億円 「妖怪ウォッチ」「アナ雪」反動減を乗り越え

» 2016年06月07日 19時23分 公開
[ITmedia]

 日本玩具協会は6月7日、2015年度(15年4月1日〜16年3月31日)の玩具市場規模と市場動向調査を発表した。2015年度の国内玩具市場規模は上代価格(希望小売価格)ベースで前年度比99.0%の8003億円だった。過去10年で最高の売り上げだった2014年度にはわずかに及ばなかったものの、高水準に達した。

2015年度の玩具市場規模は前年度比99.0%の8003億円

 2014年度の売り上げ8087億円という数字は「妖怪ウォッチ」「アナと雪の女王」大ヒットの影響が大きく、2015年度は反動減が予想されていた。その予想通り、男児キャラクター(前年度比79.4%)、ぬいぐるみ(同86.1%)、雑貨(同86.0%)、小物玩具や女児キャラクターは不調。

 しかし、「デュエル・マスターズTCG」や「遊戯王OCG」などのトレーディングカードゲームの人気の復活や、「トミカ」「リカちゃん」「シルバニアファミリー」「アンパンマン」といった定番商品が売り上げを伸ばしたこと、ブロックやトイラジコンの好調により、前年度に匹敵する結果となった。主要10分野に関しては、前年度比102.2%の5015億円と、過去10年で最高の2014年度を上回った。

各分野の市場規模変化
主要10分野(分類01〜10)に関しては過去10年で最高の5015億円に

 カプセル玩具や玩菓(おまけを付けた菓子や飲料)は本調査とは切り離して調査しているが、カプセル玩具の国内市場規模は316億円で前年度比99.0%、玩菓は「妖怪ウォッチ」「アナと雪の女王」ブーム収束の影響やコンビニでの面取りの問題から前年度比79.0%の520億円となった。

 定番が堅調だった理由について、日本玩具協会の伊吹文昭さんは「ブーム商品のあとは、定番商品が脚光を浴びる傾向がある。さらに、各メーカーがそれぞれ定番ブランドを強く打ち出し、新しいテーマと商品を作っていったことが売り上げにつながった」と分析する。

 また、インバウンド需要の影響もあるのだという。「トミカ」をおみやげとしてまとめ買いしたり、日本のブランドへの信頼感から「シルバニアファミリー」などの定番商品を購入したりといった外国人観光客の消費活動が見られる。

 2016年度の動向は――というと、先月のゴールデンウィーク商戦は昨対比105%の売り上げで推移。夏休みからクリスマス商戦までの盛り上がりが期待できる。

 今年注目されているトレンドは「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」などの”新しい技術や新提案玩具”や、家族や友人の間でのコミュニケーションを引き出す”コミュニケーション玩具”。6月9日から12日にかけて開催される「東京おもちゃショー2016」で多くの新商品や話題商品が展示される。

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