昆布を食べて収入が4万円アップ? ゲーム開発会社が「“年収を上げる食事”提案サービス」を展開するワケ大事なのは「見える化」(2/2 ページ)

» 2020年01月30日 08時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]
前のページへ 1|2       

健康の「見える化」が必要

 栢社長は「見える化」の重要性を強調した。例えば、体重であれば、体重計に乗ることで測定できる。一方、「健康」は数値化することができない。「なんとなく調子が悪いなあ、ということは感じるが、何%調子が悪い、ということは分からない」(栢社長)。そこで、分かりやすい「収入」をフックにすることで、健康を数値化するサービスを企画したという。

さまざまな情報を見える化

 WorkUp AIでは、健康だけでなく仕事上のパフォーマンスも数値化する。例えば、1日にキーボードを打鍵した回数や、ファイルを開いた回数などを記録する。「こうした数値だけが仕事のパフォーマンスを示す数値だとは考えていない。しかし、現在多くの企業でPCを使う。忙しくなれば当然、キーボードをたくさん打つはず。このように、数値化してみることで分かることはある」と狙いを話す。栢社長自身の例では、お酒を飲みすぎた翌日などにはキーボードを打つ回数が如実に減った(=仕事の能率が下がった)という。

仕事のパフォーマンスも見える化する(画像は1日のキーボード打鍵回数)

月額9800円は高い? 安い?

 最近は、月額課金制でサービスを提供するサブスクリプションサービス(サブスク)が広まってきた。一般に、サブスクを運営する上で重要とされるのが「継続率」だ。ユーザーが「お得」に感じるために、月額利用料を抑えて、長期的にコストを回収するのがサブスクの基本的なビジネスモデルだからだ。そのため、サービスを始めたユーザーがすぐにやめてしまうと、コスト回収ができない。

 WorkUp AIも、広義にはサブスクに該当するといえるだろう。そのうえで、月額9800円はやや高いように感じる。しかしながら、会社側は高いと思っていない見解を示した。栢社長は「安すぎると、『このサービス、本当に信頼できるのか?』という疑念が生じる。その点で、やや高めの価格設定だとは思うが、逆に安心感をアピールできている」と主張する。

 また、WorkUp AIでは単に食事を提案するだけではなく、そのレシピや、おすすめの商品なども紹介する。また、必要な操作も最低限にとどめるなど、毎日続けても面倒にならない設計を心掛けた。さらに、登録から3カ月間限定で、不満だった場合には全額返金する制度も用意するという。

レシピの提案も行う

 「健康は1日、2日で改善するものではない。長期間使ってもらうことで、じわじわと健康になってもらいたい」と栢社長は話す。当初は2000人の登録を目標に掲げているが、どのように広がっていくのだろうか。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.