「日本は転職が決まり、いざ現職を退職する段階になって、経営層の“許可”を得られず転職をキャンセルする人が多い」(担当者)。退職することは(最低限のルールこそあるだろうが)労働者の権利だ。それでも、退職すると伝えたときに経営層が拒否し、転職を諦めるケースが日本では顕著に多いのだという。年功序列を背景に、定年までその人材が勤続することを前提にした組織構成を取る企業が多いことが理由の1つだとみられる。こうした状況を踏まえ、「退職は『権利』だと知ってほしい」と担当者は強調した。
人手不足とは言われるが、特にITトップ人材では1人に対し10個ほどの求人があるくらいの「人材難」だと担当者は話す。ただ、実態を見ると「人がいない」のではなく「人が会社から出られない」という見方の方が正しそうだ。日本が“異常事態”から脱出するためには、労働者の基本的な権利を認めることがまず求められる。
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