まずは各項目を、前期と当期で比較してみよう。
連結販売台数(トヨタ決算資料より)
販売台数は、2019年度の897万7千台に対して、2020年度は895万8千台と微減だ。
決算概要(トヨタ決算資料より)
|
売上高 |
営業利益と利益率 |
当期純利益と純利益率 |
2019年度 |
売上高 30兆2256億円 |
2兆4675億円 8.2% |
2兆2854億円 6.2% |
2020年度 |
売上高 29兆9299億円 |
2兆4428億円 8.2% |
2兆0781億円 6.9% |
|
とまあ、市場概況から想定される5%ダウンどころか、ビクともしていない。厳密にいえば減収減益だが、その幅は1%程度と実質的に誤差レベルであり、前期から横ばいと見るのが普通だろう。
- トヨタが販売台数の“前提”を発表 21年3月期は2割減、年明けの回復を想定
トヨタ自動車は、2021年3月期の連結販売台数の見通しを前期比21.9%減の700万台とする“前提”を発表。市場の動向を予想することは困難になっており、地域別の販売台数計画の公表は見送った。
- 強いトヨタと厳しい日産
日本の自動車メーカーは調子が良いのか悪いのか、とくにここ数年中国の景気悪化が伝えられており、その影響が心配される。全体を見て、とにかくこの逆境下で強さに圧倒されるのがトヨタで、ちょっと言葉を失う厳しさに直面しているのが日産だ。スズキとマツダは日産を見るとまだ救われるが、下を見て安心していていい状況とは思えない。概要としては各社そろって、程度の差はあれど逆境である。
- トヨタの役員体制変更の狙いは何か?
4月1日、トヨタは役員体制を大幅に変更し、階級の階層を減らしてシンプル化した。具体的には従来の「副社長」を廃止して「執行役員」に一本化した。一見狙いが分かりにくい人事制度改革だが、実は骨太な方針に沿ったものだ。
- ヤリスのトレードオフから考える、コンパクトカーのパッケージ論
ヤリスは高評価だが、満点ではない。悪いところはいろいろとあるが、それはパッケージの中でのトレードオフ、つまり何を重視してスペースを配分するかの結果だ。ヒューマンインタフェースから、なぜAピラーが倒れているかまで、コンパクトカーのパッケージに付いて回るトレードオフを、ヤリスを例に考えてみよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.