――DXはどの程度進んでいますか。
一つは、DXでわれわれの持っているハードウェアの価値をより高めることによって、ハードウェアが要らないくらいソフトウェアの価値を出していく必要があります。社内はデジタル化を進めて効率的にして、将来的にはAIも活用して社員の頭の部分を補うようにしたいですが、まだ先進的な部分までは進んでいません。
これまではハードウェアで価値を出すことに注力していたので、今後はソフトウェアでいかにハードウェアの価値を出していくかも模索中です。例えば、会津のスマートシティーに参加するなど、いろいろとトライしています。DXは人材面で不足しているので、必要に応じて外から人材を招くことも考えたいと思います。
――女性の管理職がまだ少ないようですが、今後に向けては。
女性管理職の割合は20年度末実績で3.2%、グループ全体で17.1%です。新卒での女性比率を20%以上採用しています。一昨年からダイバーシティー推進プロジェクトを作り、昇格するための試験の内容を見直しました。時間に制約のある社員は試験科目の論文執筆が大変だったことから内容について量的にも減らし、論文執筆・筆記試験を就業時間内で実施する運用に見直しました。
こうすることによって時間に制約のある社員の受験する数も一気に増えました。女性比率という数字だけでなく、全ての経営層から男女比率が同じになることを目標としたいと思います。
――販売目標となるノルマ設定を廃止したようですが。
エプソン販売の鈴村文徳社長も昨年あたりから、売上至上主義を止めると方針大会で明言し、大幅に変わりました。「Epson 25」では、売上目標1兆7000億円という大命題があり、この目標を無理やり各部門に振っていましたが、見直した長期ビジョン「Epson 25 Renewed」では売上目標をなくしました。
しかし事業を継続するためには利益は出していかなければならないので、その代わり利益率目標を何パーセントというのを設けました。株主からは特に異論は出ませんでした。
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