CIOが経営者を説得してEAを導入するための秘訣は?(4/5 ページ)

» 2004年11月26日 11時36分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

第4ステップ――タスクとガバナンス

 第4ステップでは、「どのような手順を踏めば効果的なアーキテクチャを設計できるか」がテーマになる。そのために、EAを構築するための具体的な意思決定を行い、さらには、実際にEAの活動を実施するための組織を作らなくてはならない。

 この組織の参加者には、CIOやCTO、アプリケーション開発者、システムを利用する主なビジネスユーザーが含まれ、それを監督し承認する委員会がまとめていく。組織のミーティングは、月に1回など定期的に行う。話し合いでは、どんな技術を自社システムとして採用するかなどを決めるためのプロセスを確立する。さらに、ミーティングで話し合った事がらは、「IT戦略委員会」に報告する体制にする。

タスクフォースの設置

 次の段階では、さらに具体化するためにブレークダウンしていく。タスクフォースを設置し、目標を定義する。タスクフォースを構成するメンバーは、各主題の専門家、主要なビジネスユーザー、運用担当者、購買担当者など。実際にタスクフォースで話し合うことは、それぞれの課題に対して、実際に取り組むべき部門を決定すること。また、その主題が影響を与える範囲も把握し、最良の決定を下すための基準を確立する。

 具体的には、業務プロセスとしてのアーキテクチャのほか、突然発生したコンピュータウイルスへの対処方法なども考えられる。あらかじめ、対応方法などがアーキテクチャとして組織的に決定していれば、合理的かつ柔軟な対応が可能になり、被害も最小限で抑えることが可能になる。

 また、第4ステップに差し掛かったこの段階では、エンタープライズアーキテクチャ導入の初期における活動目標を決める。目に見える成果の定義、認識されている問題が解決されているかどうか、スキルや経験が蓄積されているかといったことなどをまとめる。こうした準備が整った段階で、EA導入活動が実際にスタートする。

コンプライアンスの確認

 第4ステップの最後の作業は、コンプライアンスを確認し、進捗状況を文書化することだ。具体的には、「システム開発プロジェクトにおけるEAコンプライアンス」ならば、期間中に完了した作業、正式なEAレビューを行った作業、あるいは行わなかった作業の数、例外の数などを把握し、文書として残す。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ