監視と自律性追求のアプリケーションサーバ、Cosminexus V6.5Interview(1/2 ページ)

基幹システムに相応しいJ2EE運用に求められるものとは? SOA実現のためにアプリケーションサーバの監視と自律性は、大きなポイントになる。Cosminexusの技術基盤を探る。

» 2005年02月04日 00時30分 公開
[木田佳克,ITmedia]

 SOA(サービス指向アーキテクチャ)実現のためには、レガシーシステムとの協調が要の1つとなる。このためには、マルチプロトコル実装や信頼おけるデータ転送などの技術保証が必須となり、運用システムで核となるアプリケーションサーバソフトウェアへの実装が進んでいる。運用、管理面で基幹利用に相応しい機能性とは何なのか? 技術基盤について、日立製作所、ソフトウェア事業部 Java/XMLソリューションセンタの小川秀樹氏に聞いた。

基幹利用に必要な監視と自律性

 小川氏は、冒頭で基幹システムの見直し課題として、TCO削減、サービスレベルと競争力の向上、拡張性の確保を挙げた。現代のITシステムでは、システムのライフサイクルを考慮することが重要と指摘し、運用、保守はITシステムのライフサイクル上、最も長期に渡るため、確固たる運用基盤が必要となる背景だという。

図1■Cosminexus V6.5の強化ポイント

 日立が提供するコラボレイティブEビジネスプラットフォーム最新版の「Cosminexus V6.5」では、WS-Reliability準拠のミドルウェア「Cosminexus Reliable Messaging」を追加した。また、J2EE 1.4のJMXベースの管理機能を先取りし、JavaVMのメモリやスレッドなどの監視やJavaアプリケーションの監視などトータル管理ソリューションの強みとしている。日立では、JCPで制定が及ばない領域に着手することで、SOAを技術的にサポートし、より現実的なものへと押し進める狙いだ。

 Cosminexus V6.5ではほかにも、トランザクション処理向上、JSF採用などの開発生産性向上、電子帳票とWFによる業務効率の向上などとカバーする分野が幅広い。

 今回、インタビューでクローズアップされたのはアプリケーションサーバを中心とする運用、管理面。いかに、レガシーシステムと協調した場合でも複雑さを感じさせないサービスレベルでの管理、運用を実現するかがポイントだ。

図2■アプリケーション監視、分析の可視化

 「アプリケーション監視と分析面」(図2)として紹介されたのは、実行中にリアルタイムに監視可能な仕組みを用意し、業務サービスごとにモニタリング可能な仕組みを指すもの。また、コアである「Java VMの監視と分析面」(図3)にも着手されており、ガベージコレクション発生やデータベース接続枯渇などのメモリ状態を監視し、スレッド単位での事前検知、原因追及も実現可能だ。

 これらは、共に、監視ポイントを設定することで異常時にはEメール通知を行うなど、管理者は万が一の際にでもシステムダウンさせることなく予兆段階で把握することができるようになっている。もちろん通知だけではなく、後述するように自律性も実現する。

図3■効率的なJava VMの監視、分析

 HTTPサーバ、アプリケーションサーバ、データベースという一般的な構成下では、個々の機能ごとにポイントを設定し、ログ(ダンプ)を行う。これにより従来であれば原因追及がしづらいネットワーク協調時の問題特定でも、一躍買う。

 そして、連携する運用管理ソフトウェア「JP1」の側面からは、「ビジネス視点での管理」(図4)を担っている。前述した2つは、管理、運用部門指向のツールだが、業務イメージをアイコン表示することができ、業務名でITシステムの運用具合が把握できる。これにより、必ずしもJ2EEのシステム自体に長けていなくても、運用状態を把握できるのだ。現在、Javaの動向としてビジネス指向が高まっているが、JP1の優位性をCosminexus V6.5と統合できる点は、日立ならではといえるだろう。

図4■ビジネス視点の監視
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