金融機関の融資業務をサポートするコンポーネントを提供――アイログ

ソフトウェアコンポーネントを提供するアイログは、金融機関における融資業務をサポートする新たなパッケージソリューション「アイログ・レンディング・プラクティス」を提供することを明らかにした 

» 2005年02月24日 02時33分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 ソフトウェアコンポーネントを提供するアイログは、金融機関における融資業務をサポートする新たなパッケージソリューション「アイログ・レンディング・プラクティス」を提供することを明らかにした。同社の主力製品であるBRMS(ビジネスルール管理システム)を核に、業務ルールの設定やシステム拡張、ほかのアプリケーションとの統合など、将来のシステム変更にも対応できるようにパッケージ化されていることが特徴となっている。

 発表されたレンディングプラクティスは、金融機関が、住宅ローンをはじめとする消費者向け融資サービスを、迅速かつ低リスクで提供することを支援するものとなっている。アイログは、銀行や保険会社向けに、融資や与信システムを開発するシステムインテグレータのパートナー企業と協力しながら、日本での展開に踏み込むという。

トリムイ氏はBasel II(新BIS規制)に対応するためにドイツのコメルツ銀行が同社の製品を採用したことについて紹介した。

 米ILOGのビジネスソリューション部門、ソリューション推進マネジャーを務めるブルノ・トリムイ氏は、「従来のソフトウェアは環境の変動に上手に対応できないことが多かった」と話す。

 金融機関に限らず、企業の情報システムは、インターネットの台頭による市場環境や競争、業務手順、法規制、災害など、さまざまな要因により、常に変化への対応を要求される。1つ1つの要件にシステム担当者がすべてを手作業で対応していては、非常に手間がかかるだけでなく、長期的に見た場合には、いわゆる「全容をだれも知らないシステム」が着々と出来上がるという状況が避けられなくなる。

 そこで、レンディングプラクティスは、金融機関の融資業務だけでなく、長期的な視点からシステムの整合性を維持することに着目している。BRMSを最下層にして、融資業務に関する方法論などを定義する「プロジェクト管理リソース」、システムの拡張性を保つための「サンプルコード/ツール作成」、最上位には、レポーティングおよびビジネスインテリジェンスを活用したり、ほかのアプリケーションとの統合を図るための「アプリケーション統合」という各層で構成される。

 このように、業務要件と、システム要件の変更がそれぞれコンポーネントベースで管理できるため、両者を分離した明確な運用管理が可能になる。

 現在、金融機関を取り巻く環境は厳しくなっており、規制遵守の徹底も求められている。融資の業務効率の改善やローン1件当たりにかかる処理コストの削減、融資決定までの日程の短縮など、課題が山積みの状況において、ソフトウェアコンポーネントをうまく活用すれば、アプリケーション開発を単純化することができる。

 それにより、企業が情報システムの運用に関して抱えるリスクを低減し、コスト削減の追求、業務要件の変更などを実際のビジネスに反映させるまでの時間を短くするといった取り組みも強化することができる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ