現役営業SE、メグミの切れ味に注目(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)
ほかの会社がどうかは知らないけど、うちの会社にはずっとシステム設計を担当してた人が営業に異動になるケースがたまにある。これがまた問題な人が多い。
特に、前の上司(部長ね)はひどかった(早期退職でいなくなっちゃったけどさ)。何十年も開発をやってきて、突然営業SEの部長に。営業の部長のミッションなんて、お客さんや協業先を発掘して案件化してなんぼのものだ。それなのに、1日中ほとんど席にいる。席にいないときはせいぜい社内の会議。そのわりに夜は10時過ぎまでいる。なんで外出もしないで1日中席にいるのにこんなに夜遅くまで仕事があるんだ? と思っていた矢先に、わかった。彼が何をしていたのか。彼はなんと、部内用の「案件データベース」を夜な夜な開発していたのだ。
横で聞いていると、自分の席の近くの若者に、Webサーバがうまく動かない、などと相談している。こんのおやじーー。外行って仕事取ってこい。そんなものは、キミの仕事ではない。若者に作らせとけ。なぜ単価の高いキミが自分のPCにテスト環境を作って開発をする? もしこれをパッケージ化して販売しようとしたら、間違いなく高くて売りものにならないだろう。
で、その数日後、部内のメーリングリストで部長からこんなメールが回ってきた。
「案件DBを開発しました。まだテスト段階ですので、使ってみて、改善したほうがいい点などどんどん指摘してください」 絶句。。だーかーらー、キミにみんながしてほしいのはそんなことじゃなないってば。客とってこい!
でもよく考えてみると、この人事は彼にとっても不幸だ。だって、設計部門にそのまま置いておけばきっとプロジェクト管理とかをそつなくこなしていただろうに、定年間際になっていきなり営業部署に連れてこられちゃったんだから。私も最後は、会社の戦略のなさに呆れ、これだから業績が伸びないんだよ、と思いつつこの部長には少し(あくまで、少しだが)同情したのだった。
おい会社幹部、そして人事、なぜこんなだれが見てもミスキャストな異動をさせるんだ? これがもしや退職勧告? だとしたら、ひとりを退職させるための代償はあまりに大きい。やめようよ、こんな本人にも会社にも不幸な人事。
一柳めぐみ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.