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» 2005年05月18日 19時34分 UPDATE

「中小企業でもバックアップは重要」、日本HPが省スペーステープドライブ

日本HPは4月初めにリリースした第2世代のLTOテープドライブ、「HP StorageWorks Ultrium 448」を通じて、中小企業にもテープバックアップを展開していく方針だ。

[高橋睦美,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカードは4月初めに、ProLiantサーバ製品群を強化するとともに、関連する新しいストレージ製品をリリースした。その中には、第2世代のLTOテープドライブ、「HP StorageWorks Ultrium 448」が含まれている。

 Ultrium 448は、これまでのテープドライブに比べてコンパクトな、ハーフハイトのきょう体を採用しており、ラックへの収納も可能だ。LTO2カートリッジを用いれば、圧縮時で最大400GBのデータを保存でき、毎秒48MBのスループットを実現する。

 「エンタープライズ向けのテープストレージに匹敵する機能を、ミッドレンジの価格で提供していきたい」――米HPのニアラインストレージ部門でプロダクトマーケティングマネージャを務めるリック・セラーズ氏は、Ultrium 448をリリースした意図をこのように語った。

 Ultrium 448は、高速化と信頼性向上のための仕組みをいくつか搭載している。

Ultrium 448 ミッドレンジをターゲットとした「Ultrium 448」

 たとえば、通常テープへの書き込みは、バッファがいっぱいになってしまうと停止されるため、全体としてみるとスループットが低下する。Ultrium 488が備えている「Data Rate Matching」技術は、書き込み速度を毎秒10MB〜48MBの可変とすることで、多少速度はゆるやかになるものの全体としてのスピードを向上させる。「書き込んでは止まる各駅停車に対し、若干速度を落とすとはあってもずっと書き込みを続けるUltrium 488は急行のようなもの」(セラーズ氏)。

 また、バックアップストレージの大きな目的は、障害が発生した際に迅速な復旧を行えるようにすることだが、「多くの場合は、OSを探してドライバを当てて、その上でアプリケーションをインストールしてようやくデータを復旧させることになる。だが、それでは多くの手間がかかり、半日、一日仕事になってしまう」(同氏)。

 これに対しUltrium 448は、「HP One Button Disaster Recovery(OBDR)」という機能をサポートした。OSやアプリケーション、ドライバなど、必要な要素すべてを含んだ形でバックアップを取り、ボタンひとつで簡単にリカバリを行えるようにする仕組みだ。これを活用すれば「2時間以内でシステムを復旧できる」という。

 さらに、標準でストレージ管理ソフトウェアとして「Yosemite TapeWare」および「HP OpenView Storage Data Protector」を同梱した。

 そもそもきょう体がコンパクトな点もメリットになるという。「現在、部門サーバにさえもより多くのディスクドライブが搭載されるようになった。ここにバックアップシステムを組み入れようとしても、フルサイズのデバイスではもう空きスペースがない」(同氏)。これに対し、ハーフハイトサイズならば空間を効率的に利用できる。

 セラーズ氏によるとこの製品は、エントリレベルからミッドレンジのサーバをターゲットにしていく。同氏によれば、中小企業の40%ではバックアップを取っていないか、取るとしてもCD-Rなどの光ディスクに保存しているだけといい、この分野に大きなチャンスがあると見込んでいる。Ultrium 448の参考価格は47万8000円からで、4月下旬より出荷が開始されている。

セラーズ氏 中小企業のユーザーにもテープとバックアップに重要性を認識してもらえれば、と語ったセラーズ氏

 米国の調査会社によれば、ストレージの容量は2年で倍という急ペースで増加している。「テープもこの増加に追いついていかなければならない」とセラーズ氏。今回リリースされたUltrium 448はLTOの第二世代だが、より高速化、大容量化を図った次の世代に向けても開発を進めているという。

 ストレージ容量の拡大にともないディスク単価は下落しており、バックアップなどの用途に手軽に利用できるようになった。しかし「障害からの復旧作業やサーバそのものの再構築といった場面ではテープが強い」(セラーズ氏)。

 またテープの場合、メディアを取り外して物理的に離れた場所に移して保存するすることで、ディザスタリカバリに活用できる点もメリットという。さらに、米企業改革法に代表されるさまざまな法規制への遵守上求められているWORM機能を活用した長期アーカイブでも威力を発揮する、とセラーズ氏は説明した。

 ただ、テープとディスク、どちらか二者択一を迫るとつもりはないともいう。今回リリースしたUltrium 488は、HPが推進しているILM(情報ライフサイクル管理)戦略の中に組み入れられるものであり「短期的な保存はディスクに、また安くかつ信頼性の求められるデータ保管はテープにという具合に、HPではライフサイクル全体にわたる継続的なデータの保護を考えていく」(セラーズ氏)。

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