SEが心得るべきB2Bミドルウェアのこれからミドルウェアがシステムの品質を決める(1/9 ページ)

今回はB2Bミドルウェアの国内での流れと、そこで求められる具体的な機能について話してみたい。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

» 2005年05月23日 03時36分 公開
[藤野 裕司(DAL),ITmedia]

 第1回は、B2Bミドルウェアの役割や日本と欧米における発展過程の違いについてまとめた。今回は日本国内での流れとそこで求められる具体的な機能について話してみたい。

EDIとEAIは異なる流れで生まれた 

 B2Bが企業間データ交換から始まったことはすでに述べた。日本での起源をたどると、1970年代後半あたりになるだろう。流通業界におけるEOS(Electronic Ordering System:電子発注システム)や大手企業間のオンライン取引がそれにあたる。この段階では、企業の業務用コンピュータは1台である場合が多く、1対1接続でたいていの場合は完結していた(図1)。

 その後、分散処理システムが普及を始めたところでも、基幹の業務はその企業の中心となるコンピュータで行われ、分散機側で必要なデータは、その都度ファイル転送で送られるようになった。つまり、企業間のデータ交換と社内のファイル転送は完全に分離して運用されていた(図2)。

 しかし、オープン系システムが普及し始めると基幹系業務も複数の異なるサーバで動くようになり、業務の連携が複雑化してくる(図3)。

 

 このころから話題となったのがEAIである。ERPやSCMなどパッケージアプリケーションの普及もEAIに拍車をかけている。ただし、図で分かるように、企業間と社内はデータが縦横に流れているにもかかわらず、ミドルウェアとしてはEDI(企業間データ交換)とEAI(社内業務連携)は別に語られるのが常であった。

 これは、パッケージベンダーがおのおの得意とする分野が異なっていたからだと思われる。特に日本においては、EDIが特殊な通信プロトコルで行われていて、外資系パッケージベンダーが入りにくい分野であったことは間違いない。

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