「インターネットの縮図」を描くShowNet(2)Interop Tokyo 2005開幕特集(3/3 ページ)

» 2005年06月08日 09時14分 公開
[ITmedia]
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より高速に、より安く……を追求するエクスターナル

ITmedia では、幕張の外の部分はどうなりますか?

 若干先の将来像を見ていかなくては……ということで、今後もインターネットのトラフィックはどんどん増えていきますよね。結局は帯域の勝負になってしまうんですが、よりシンプルに、太い帯域をいっぱい出せることが求められるでしょう。それはShowNetの中だけではなく外の回線もそうだろう、ということで、今年は10Gbpsイーサネットを9本出します。今後はLANとWANの垣根がより低くなっていくのではないかと思っています。

 それからもう1つ、通信事業者としての使命の1つに、ネットワーク運用のコストを落とすことがあると思います。コストの中でももっとも大きな部分が、人の部分、オペレーションコストです。今年のトライアルとして、そこをいかに削減していくかという1つの方法として、GMPLSのテクノロジを使ってみようと思います。

佃氏 NTTコミュニケーションズの佃昌宣氏

 昨年も同様な技術を使いましたが、今年はGMPLSをオペレーションして、ShowNetの中にある伝送装置と相互接続することで、ばしばしっとGMPLSのパスを張ることにトライアルしてみたいと思っています。そうすることで、ネットワークコストが落ちるだけでなく、お客様に提供するサービスのリードタイムが少なくなるというメリットがあるんです。それから、サービスの幅も広がり、「今日つなぎたい」「一週間だけつなぎたい」というような柔軟なことができるようになります。

 また、ShowNetの中の低いレイヤの話をしますと、先ほど触れられていたとおり、よりハイエンドなものがより使いやすくなってきているという現象が起こっています。伝送装置もまさしくそうです。2U、3Uくらいの伝送装置でも10Gのインタフェースを搭載できて、なおかつチューナブル・レーザーのように将来的に必要になるテクノロジも入っている。そういう機器をいろんなベンダーさんに持ち込んでもらっていますので、ShowNetの中で使っていきたいですね。

 こうしてみると、高度な機能を持ってよりシンプルな使い方ができるハコがあり、一方でGMPLSというある程度複雑な機能を持ったものが出ているという具合に、けっこう二分化していますね。それから、帯域的なトピックとしては、ShowNetの中に40Gbpsのインタフェースも入れていきます。

山口 伝送路って、ある意味かわいそうですよね。昔は独自の伝送路のインタフェースだったのが、テクノロジコンバージェンスという名の下に、いまはすべてイーサネットになってきてるわけですよ。ところが、プロテクションをはじめ伝送路だからこそやらなきゃいけない部分というのもあって、それをできるだけ安く、壊れないように実現しないと……と、相反する要求を突き詰められていますよね。あんまり目立たない部分だけれど、実は伝送路の技術ってものすごく進化してますよね。

ITmedia 事業者としての胸のうちは?

 厳しいです(笑い)。でも、そろそろ伝送路という切り口だけでは生きていけないという状況になり始めていることは、通信事業者はみな痛感しています。最先端のテクノロジだけでなく、アベイラビリティや信頼性といった部分もいかに突き詰めていくかについては、機器メーカーさん、それにわれわれに与えられている重いハードルだと思います。

(続く)

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