OpenOffice.orgの「Base」はAccessを狙わず何を目指したかOOo 2.0が変えるオフィスアプリ基準 第5回(3/4 ページ)

» 2005年08月18日 08時00分 公開
[可知 豊,ITmedia]

 まず、Accessで作成した簡単なデータベースを用意した。売上マスターと製品マスターという2つのテーブルを持ち、金額クエリーにより2つのテーブルを連結する。このほかに、いくつかの補助的なクエリー、フォーム、テーブルを持っている(サンプル:B_test1_MS.mdb)

画面■Accessで作成したデータベース。2つのテーブルを連結している

 このファイルをBaseに読み込んだ。テーブル/クエリーとも、テーブルとして表示される。データは全て正常に表示された。テーブルは更新もできる。クエリーのフィールドや、フィールドを使った演算も正しく表示された。ただし、フォームやレポートは、まったく表示されないという状況だ。

画面■AccessのファイルをBaseで開く。クエリーはテーブルとしてアクセスできる

 このように、Accessのデータは、Baseでも簡単に操作できる。フォームやレポート、新しいクエリーを追加することもでき、この時、追加したフォームなどの設定は、odbファイルとして保存されるのだ。

 操作の面では、細かな違いが目に付いた。Accessのウィンドウは、大きなウィンドウの中に、クエリーやテーブルの子ウィンドウが表示される(MDI表示)。これに対してBaseでは、大きな複数のウィンドウが表示される(SDI表示)。

 ツールバーの構成やボタンの種類もかなり異なっており、操作で戸惑う点も多かった。例えば、Baseにはデータ表示(データシートビュー)と画面デザイン(デザインビュー)を切り替えるボタンがない。また、「更新」や「追加」などクエリーの種類を切り替えるボタンがなかった。このようなクエリーは、SQLで直接記述することになる。

Baseの利点と欠点を整理すると

 バージョン2.0でBaseが追加されたわけだが、バージョン1.xにもデータソースが備わっており、データベースとして使うことが可能だった。では、Baseという形式になると、どんな利点があるだろうか。

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