「Fedoraとは違うのだよ、Fedoraとは」――Novell SUSE Linux 10.0は10月リリース

ノベルは同社の個人ユーザー向けLinuxディストリビューションの最新版「Novell SUSE Linux 10.0日本語版」を、10月7日から発売する。openSUSE Projectの発足後、初のメジャーリリースとなる。

» 2005年09月28日 15時35分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 ノベルは9月28日、同社の個人ユーザー向けLinuxディストリビューションの最新版「Novell SUSE Linux 10.0日本語版」を、10月7日から発売することを明らかにした。従来のNovell SUSE LINUX Professionalから名称も変わっている。

 同バージョンは、8月に発足したopenSUSE Projectが開発および検証に参加した初めてのリリースとなる。主なコンポーネントのバージョンは、Linuxカーネル2.6.13、KDE 3.4.2、GNOME 2.12、X.org 6.8.2、GCC 4.0.2、Glibc 2.3.4。そのほか、OpenOffice 2.0(プレリリース版)やFirefox 1.0.6、MonoおよびGstramerをベースに開発されたオーディオプレーヤー「Banshee(Sonance)」などが搭載されている。

 また、「Xen3.0」プレリリース版が搭載される。Xen 3.0ではx86-64アーキテクチャやIntel VTプラットフォームがサポートされたことで、仮想マシン環境の適用範囲がいっそう広がっていくことも予想される。

 さらに、今回はじめて、内外の攻撃やウイルス、不正アプリケーションなどからLinux OSとアプリケーションの双方を保護する「Novell AppArmor lite」が搭載された。Linuxはウイルスとは無縁、のように捉えられている向きもあるが、踏み台などにされるリスクを考えると、こうしたセキュリティの向上はうれしいところだ。なお今回、商用のソフトウェアは基本的に搭載しない方針のようだ。

 openSUSE Projectはその性格上、Fedora Projectとよく比較される。両者の違いとしてはコミュニティーベースのプロジェクトがNovell、Red Hatそれぞれの開発プロジェクトに直結しているかであろう。Fedora Projectでの開発プロセスは必ずしもRed Hat製品に取り込まれるわけではないが(Red Hatからすれば、Fedora Projectが当初考えていたようには機能していないと考えているフシもある)、openSUSE ProjectのそれはNovellの開発プロセスとかなり密に結合している。また、サポート付きでCDを販売するモデルなどはFedora Projectにはないものだ(関連記事参照)。開発プロセスの上流をNovellが握っているプロジェクトであることから、どちらかといえばSunのOpenSolarisに近いものがあるといえる。

 今回のパッケージに含まれるものは、32ビット版のインストールCD(5枚)、32/64ビット版のインストールDVD(1枚)、日本語マニュアルCDなど。そのほか、特典としてオリジナルのシールが付属する。無料インストールサポートはユーザー登録から最大90日。

 価格はオープン(市場推定価格は9240円)。なお、Novell SUSE LINUX Professional 9.3日本語版を9月1日以降に購入し、10月31日までにユーザー登録した場合、SUSE Linux 10.0が無償で入手可能。

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