テープの振りするディスクストレージ、日本IBMが仮想テープ装置を発表

日本IBMは、仮想テープ装置「IBM Vertualization TS7510」を発表した。バックアップソフトに対してディスクストレージをテープライブラリに見せることで、バックアップ/リカバリの高速化を可能にする。

» 2005年10月19日 21時31分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は10月19日、オープンサーバ向けの仮想テープ装置「IBM Vertualization TS7510」(TS7510)を発表した。

 TS7510は、実際にはディスクストレージだが、バックアップソフトに対してはテープライブラリとして見せることができる製品。1台の装置で最大128個のテープライブラリとしてエミュレーションでき、1024個の仮想ドライブの構成をとることが可能だ。

 バックアップ用途に利用されているテープについては、いくつかのデメリットが指摘されており、TS7510ではテープが抱えるデメリットをディスクの特性を生かして解決させた。

藪下氏と佐野氏 ストレージ・システム事業部長の藪下真平氏(左)と同事業部ソリューション担当部長の佐野正和氏

 「テープでは、ロボットが探索してマウントしたり、利用後には巻き戻してアンマウントするなどの操作処理にどうしても時間がかかってしまった。また、バックアップのタスクはテープドライブの数以上に行えないため、理想的にはサーバの台数だけテープドライブが必要になってくる」と、日本IBM ストレージ・システム事業部 ソリューション担当部長の佐野正和氏。

 また、仮想ボリュームをテープ装置へ自動移行させるILM(Information Lifesycle Management)機能を搭載させているほか、リモートレプリケーション機能も備え、IPネットワーク経由してローカルバックアップの仕組みを使った遠隔災害対策システムの構築にも利用できる。

 仮想化エンジン1台を搭載した5Tバイトの最小ハードウェア構成から、仮想化エンジンを2台搭載した最大46Tバイトまでの構成をとれる。価格は2744万8000円から。

 今回のTS7510の投入により、IBMはオープン環境でもディスクとテープの仮想化技術をラインアップしたことになる。なお、同社はストレージ製品のブランド名を「IBM TotalStorage」から「IBM System Storage」へと変更しており、特に仮想化に関する製品を「IBM Virtualization Engine」の呼称としている。

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