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» 2006年04月11日 16時08分 UPDATE

「DebianのサポートはISVのサポート次第」――HPのガービー氏

米HPよりOpen Source & Linux Chief Technologistのビーデイル・ガービー氏が来日し、HPとオープンソースコミュニティーの関係、そしてオープンソース戦略の新機軸について述べた。

[西尾泰三,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月11日、米HPよりOpen Source & Linux Chief Technologistのビーデイル・ガービー氏を招き、同社のLinuxおよびオープンソースソフトウェアにおける取り組みについて解説した。

DPL.jpg 元DPLとしても知られるビーデイル・ガービー氏。ストラップにもDebianの文字が

 ガービー氏はまず、HPがオープンソースにコミットしているかについて具体的な例を挙げて説明した。例えば、2500名以上の参加者がオープンソースのプロジェクトに参加していることや、300個以上のプリンタドライバをコミュニティーに提供したことなどだ。また、Linuxカーネルに対するIA64アーキテクチャの実装などでもHPが多大な貢献をしていると話す。現在策定中のGPLv3についても「レビュワーの立場で」(ガービー氏)参加し、コミュニティーの期待に沿って共生していくことの重要性を説いた。

 こうした活動を通してHPが提供するITインフラ上に自信を持ってオープンソースまたはLinuxを実装することができるのだとガービー氏は話す。

 また、見逃せないのはDebianに対するスタンスである。ガービー氏といえば、自身もDebianにある複数のパッケージメンテナーである上、Debian Projectの元DPL(Debian Project Leader)としても有名な人物だ。HPはDebian Projectに対してハードウェアの提供をはじめ、相当コミットしているが、それも同氏の活躍によるものが大きいと推察される。また、HP社内にも、ダン・フレイジャー氏をはじめとする多くのDebianデベロッパーが在籍しているほか、日本HPにも、pbuilderやcannaの開発で知られる上川純一氏が在籍している。

 こうしたDebianに対するコミットについてガービー氏は、「HPが目指すのは、私たちが開発したものを速やかにアップストリームに渡していくこと」であるとし、それはベンダーに依存しないボランティアベースのLinuxディストリビューションであるDebianとの相性がよいのだと話す。

 ではHPとしてDebianを公式サポートするかどうかについては、Debianでシステム構築を、というユーザーも増えてきていることは事実としながらも、「(Debianの)サポートはDebianへのコミットとは別の話。ISVのサポートなども重要な要素であり、そうしたことを見据えて決めていく必要がある」と述べるにとどまった。

3OS上でオープンソースを活用可能にする「HP OSIP」

 続いて、日本HPのエンタープライズストレージ・サーバ統括本部、Open Source & Linux 推進部推進マネージャーの赤井誠氏より、HPが1週間前に発表した「HP Open Source Integrated Portfolio」(HP OSIP)と、国内における具体的な施策についての説明が行われた。

HP OSIPは、オープンソースおよび商用ソフトウエアの導入を支援するソフトウエアとハードウエアのパッケージ。つまり、OS、各種ソフトウェア、ハードウェア、サービスをパッケージングしてユーザーに提供するもの。

 HP OSIPを細かく見ていくと、大きく「Open Source Building Blocks」「Open Source Blueprints」「Open Source Consulting」の3つで構成されている。「Open Source Building Blocks」ではHP-UX、Linux、Windowsといった3OSでのオープンソースソフトウェアの動作をサポート、「Open Source Blueprints」で各種技術ドキュメントを、「Open Source Consulting」で3OS上での商用ソフトウェアに対するサポートを行うことで、商用/オープンソースソフトウェアを問わず、マルチOS上での動作をサポートしていくことがHP OSIPの主目的となる。

 HPでは過去に、「Linux Reference Architecture」(LRA)と呼ばれるフレームワークを発表しているが(関連記事参照)、赤井氏は、「(LRAは)情報提供が主であった」と述べている。今回の発表は、HPが実際にセールスと一元化したサポートを行い、オープンソースソフトウェアの迅速な導入支援がLinux上だけではなく、3OS上で行えるようになったことを意味する。

 この取り組みへの技術的な組織体制として、日本HPでは「オープンソース・コンピテンシー・センター」を開設。すでに各種雑誌・書籍に対する技術情報の寄稿や、ワークショップの開催などの取り組みを行っているという。

 「具体的な商談では私たちが前に出て提案する気持ちでいる」(赤井氏)

 またこの日、LinuxディストリビューターのRed HatがJBOSSを買収することが明らかになったが(関連記事)、この動きがHPにどのような影響を与えるかについてガービー氏は、「両社ともすでに強固なパートナーシップを結んでおり、これが影響を与えることはない」と述べた。

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