惨めなわたし、システム管理で労災認定女性システム管理者の憂鬱(3/4 ページ)

» 2006年11月02日 08時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 最後の交換となった社員は、かわいらしい入社2年目の女性社員だった。本来は2日前に交換を行うスケジュールだったが、作業のことをすっかり忘れていた本人の希望により、最終日の最後の作業に変更したのだった。業務終了後、部署の送別会に参加するというその女性社員は「それではお願いします」とわざわざ社内電話をかけてきてくれた。

 女性ならば机まわりもそう汚くないだろう、と足取りも軽く、彼女の机に向かってみて驚いた。それは、これまでで最も荷物が多い惨憺(さんたん)たる状況だったのだ。

 机の上はキーボードを置く以外まったくスペースがないほど資料が積まれ、足元には訳の分からない販促グッズを乱雑に詰め込んだ紙袋がいくつも散乱している。期末で取引先から回収してきたものなのか、いつもより余計に荷物が増えてしまったらしい。これから作業があることは分かっているはずなのに、こんな汚い机を他人に見られて恥ずかしくないのだろうか。呆然とたたずんでいるわたしに、通りすがった他部署のマネジャーまでもが同情の声をかけた。

 「片付けろっていつも言ってるんだけどね。かわいい顔してきたない机なんだよなあ。本人から掃除代もらっていいからね」

 もし、彼女に結婚を考えている恋人がいるなら、絶対にそのお母さんにこの机を見せてやる。そんな意地悪な思いまでふつふつと込み上げてきた。

わたしが労災を受けた理由

 いつまでも呆然としているわけにもいかない。なんとか自分が入れる隙間と新規PCを置くスペースを作り作業を開始した。おかげで薄型モニタを椅子の上に置いての作業となった。新規と旧PCの接続が完了してしまうと、旧PC自体に不要なデータをため込んでいる様子もなく、データの移行作業自体はスムーズに進んだ。

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