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» 2008年01月26日 00時00分 UPDATE

Weekly Access Top10:環境活動ですれ違う企業と顧客の思惑

製紙業界の大手企業が相次いで偽装を認め、信頼を寄せる消費者を裏切る形となった。環境活動には“利益を追従する”という企業の目的が投影されていることを忘れてはならない。

[藤村能光,ITmedia]

 2007年末から2008年にかけて人材業界は大きく動いた。人材派遣大手グッドウィルが全国708事業所で派遣事業を停止したことは人材業界の業務体制の問い直しを提起した。またリクルートによる人材派遣最大手のスタッフサービス・ホールディングスの買収は人材業界の再編を加速させた。人材への関心が高まる中、会社の上手な辞め方、教えますが今週の1位を獲得した。退職するしないは別にして、働くことを問い直す機会が必要と考えた読者も多かったのではないか。

 人材関連と同じく注目を集めているトピックの1つに環境問題が挙がる。特に企業は環境活動に本腰を入れ始めている。IT機器の消費電力量が2025年には2006年の5倍になるという経済産業省の試算や、4月に開始を控えた京都議定書が定める削減実行期間などを考えると、ITベンダーは今後、電力消費量削減の具体的な数値目標が求められることになるだろう。

 二酸化炭素削減目標を明らかにした企業の環境活動は、顧客や消費者に安心感を与える。一方で企業は、環境活動をコスト削減や利益の拡大ととらえている面もある。市場調査会社ストレージ10グループのグレッグ・シュルツシニアアナリストは、グリーンITをテーマにした企業の活動は耳当たりの良い言葉に顧客が食いつくことを計算している、と述べている。

 グリーンITを実現する技術にサーバ統合がある。複数のサーバを1台のサーバに集約して電力を削減できるのは確かだが、具体的にどれだけの数値を削減できるかについて検証している企業は少ない。実際の効果は現段階では未知数であり、環境への貢献に結びつくとは限らない。

 企業が行う環境活動が正しい保証はどこにもない。国内では、日本製紙などの製紙業界の大手5社が再生紙の割合を偽装していたことが明るみに出た。環境に優しい製品が偽りだったという事実は、顧客や消費者の信頼を踏みにじった。

 グリーンITが騒がれ始めたのは最近のこと。今後は、利益獲得のためにグリーンITを売りに製品をリリースする企業が増えるかもしれない。世相を表す1文字に「偽」が選ばれた2007年、消費者が企業を見るはこれまで以上に厳しくなった。企業はこれを踏まえ、消費者を裏切らないために白黒をはっきりとつけた環境活動に取り組む必要があるだろう。

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