Windows 7は最後の32ビットWindowsか(2/2 ページ)

» 2008年09月22日 10時19分 公開
[Larry Seltzer,eWEEK]
eWEEK
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 いずれはすべてのユーザーを64ビットに移行させる価値がある主な理由は、メモリだ。32ビット版Windowsは約3Gバイトまでのシステムメモリに対応する。理論上は4Gバイト、あるいはそれ以上への対応が可能でも、実際問題として、特定のデバイスドライバと互換性の問題が起きる。そこでデスクトップ向けWindowsと、Windows Serverの安価なバージョンに制限をかける決定が下された。大事なことかもしれないが、この決定のメリットとデメリットには触れない。事実として、デスクトップ版Windowsで3.1G〜3.5Gバイト以上のRAMを使いたければ、64ビット版に移行する必要がある。

 わたしたちは既に、Vistaにより、2G〜2.5Gバイトメモリがスイートスポットと考えられる段階に達している。それ以下のメモリを積んだシステムを構築する理由はない。メモリは非常に安価だからだ(本稿執筆時、TigerDirectで2GバイトのCrucial PC5400 667MHz DDR2がリベート適用後39.99ドルだった)。今後わたしが構築する、あるいは勧めるシステムに、2Gバイト未満のメモリを搭載したものはないだろう。

 64ビットシステムは明らかに高速になるだろう。近いうちに、一般的なデスクトップ利用でもそうなる。大容量メモリと、レジスタの容量と数が増えることによる最適化のおかげだ。

 本稿についてMicrosoftにコメントを求めたところ、返って来たのは次のような決まり文句だった。

64ビット版Windows Vistaは――4Gバイト以上のメモリを搭載したPCで――多数のプログラムを同時に動かした際のレスポンスがよくなる可能性があり、お使いのハード、ソフトと高い互換性があります。また、パフォーマンスと体験の劇的な改善を約束する64ビットに最適化された次世代のプログラムに対応できます。

  • マルチタスクのレスポンス向上:64ビット版Vistaと4Gバイト以上のメモリがあれば、多くのプログラムを同時に実行する際のPCのレスポンスがよくなり、よりスムーズな体験を提供します。

  • デバイスおよびプログラムとの高い互換性:現在お使いのほとんどのハードとソフトが64ビット版Vistaで問題なく動きます。

  • 64ビットに最適化されたプログラムに対応:64ビット版Vistaと4Gバイト以上のメモリがあれば、大量のメモリを使って劇的にパフォーマンスを向上させて革新的な体験をもたらす、64ビットに最適化された次世代プログラムに対応できます。

 Microsoftは64ビット版をきっかけに、新しいセキュリティ機能を導入し、32ビット版ではオプションだった、以下のようなセキュリティ機能を必須にしている。

 これらセキュリティ機能のうち、少なくとも2つは物議を醸している。とは言え、わたしはいいアイデアだと思う。

 これはすべて、デスクトップ版Windowsが当面は流動的になることを意味している。意地悪な言葉で言えば「不安定」だが、見通しが暗いとは限らない。時には急速な変化がエキサイティングなこともある。世界が64ビット版Windowsに移行したとき、われわれは結局、過去の最悪な間違いを一掃した、より優れて、高速で、安全な環境を手に入れているかもしれない。これはハッピーなバージョンの未来だ。

 アンハッピーなバージョンでは、ハードベンダーが64ビットデバイスドライバの開発に真剣に取り組まず、64ビットアプリケーションの開発が遅れて、64ビット版Windowsで動くFlashプレーヤーもなく、真の64ビットOSを動かすにはメモリ不足の低性能のシステムにユーザーが怒っているだろう。それから研究者は、64ビットモードへの未踏の革新的な攻撃法を見つけるだろう。

 なんという進歩だ。

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