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» 2008年10月09日 08時36分 UPDATE

「ホームページは店舗だ」――マクドナルドが5年半ぶりのHP刷新に込めた思い (1/2)

日本マクドナルドが5年半ぶりにホームページを刷新した。LPOを採用してコンテンツを動的に表示したり、時間に応じてWebサイトに変化させたりするなど、「Webサイトも店舗の1つ」というコンセプトに基づき、“ユーザーの楽しさ”を演出する。そこには、支持を集める企業サイトの要素がちりばめられている。

[藤村能光,ITmedia]

 企業のホームページは、その企業の活動や理念を映し出す鏡だ。更新頻度を上げ、鮮度の高い情報をユーザーに出し続けることで、閲覧数は増え、顧客の囲い込みにつなげることができる。

 日本マクドナルドのホームページは、月間5000万ページビュー(PV)を稼ぎ出す一大サイトだ。日本ブランド戦略研究所が調べた「再訪したい企業Webサイト」で第3位にランクインするなど、顧客からの支持も厚い。

 そんな中、同社は新たな機能やコンテンツを取り入れ、5年半ぶりにホームページを刷新した。「PVの増加も考えたが、それ以上にマクドナルドという店舗の楽しさを伝えることを考え、コンテンツを埋もれないようにした」。ホームページの構築を率いた同社ウェブコミュニケーション部の清水朋子統括マネジャーは、刷新の狙いをこう語った。

クーポンに続くキラーコンテンツを生み出せ

日本マクドナルドの清水朋子氏 8年にわたりさまざまなWebサイトのプロデュースを手掛けてきた清水朋子氏

 「クーポンに続くキラーコンテンツが無かった

 清水氏は、刷新前のサイトの弱点を挙げた。「クーポン」「栄養・アレルギー情報」「店舗情報」といった「機能的なコンテンツにユーザーのアクセスが集中し、CSR(企業の社会的責任)や店舗で働くアルバイトの“クルー”などのページはあまり見られなかった」(清水氏)。マクドナルドという企業の理念や従業員のマインドを顧客に訴求しきれていなかった。

 刷新前のサイトは、Webサイトとして見やすいか、無数のコンテンツをいかに1つのサイトにまとめるかといった「Webオペレーション寄りのデザイン」だったと清水氏は振り返る。

 商品の紹介や企業情報などをメニューバーに並べた作りで、ユーザーはメニューから階層構造のリンクをたどり、コンテンツを探し出さなければならなかった。そのため、「一番見て欲しい記事やページに到達するまでにユーザーが離脱する」(清水氏)ことも起こっていた。

刷新前のサイトのイメージ 従来のホームページは種々のメニューを数回クリックしないと、詳細なコンテンツまでたどりつかなかった

 こうした反省を生かし、ホームページ作りに必要な要素を練り直した。「マクドナルドは店舗こそがビジネスそのもの」と考え、「ホームページもマクドナルドの店舗である」というコンセプトを導き出した。

LPOで最下層のコンテンツをトップページに

 ホームページで店舗や企業の理念をふんだんに伝える――同社は、その一手として、Webサイトの構築にLPO(ランディングページ最適化)という技術を取り入れた。これは目的のコンテンツや情報にアクセスしやすくするために、ユーザーが最初に訪れるWebページに知りたい情報を配置するといったものだ。

LPOで動的にコンテンツを表示 第1コンテンツと第2コンテンツの表示

 同サイトではLPOを駆使して、お勧めメニューを表示する「Today's McDonald's」や商品へのこだわりを伝える「Made For You」など5つのコンセプトからなる「第1コンテンツ」をトップページの中央に表示する。ユーザーがWebページにたどりつくまでの動線や時間帯、検索キーワードを自動的に分析して、ユーザーが求めるコンセプトを動的に表示する。

 右横のカラムには第1コンテンツと関連のある情報をまとめた「第2コンテンツ」というバナーを6つ表示する。例えば、Made For Youの横には、ハンバーガー作りを体験できるゲーム「ハンバーガーを作れ!」のバナーを表示する。第2コンテンツは、従来トップページに配置していなかったコンテンツを数十種類そろえている。朝と夜で表示する内容が変わるなど、顧客を飽きさせない巧みな仕掛けを取り入れた。

コンセプトをページの中央に表示コンセプトとひも付いたコンテンツの一例 ユーザーの行動履歴などを基に、「Made For You」のコンセプトが表示している(写真左)。コンセプトに近いコンテンツ「ハンバーガーを作れ!」のページ(写真右)

 LPOを導入することで、これまで最下層にあったコンテンツを動的にトップページに表示できるようになった。「コンテンツをモジュールとして考え」(清水氏)、埋もれるページを作らないようにした。

 今後は、LPOの効果測定やユーザーからの意見を集めて、どのコンセプトとコンテンツが結びつくかを再考し、場合に応じてひも付けを変えるなど、改良を重ねていく構えだ。

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