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» 2009年03月05日 12時35分 公開

専業ベンダーの狙い:アプライアンスにこだわる理由はコスト削減――米MirapointのCEO

メール専業ベンダーの米Mirapointは、アプライアンスによる製品提供に注力する。ウィトウスCEOは、「運用コストの面ではアプライアンスが最適解だ」と強調する。

[國谷武史,ITmedia]

 メール専業ベンダーの米Mirapointは、1997年の創業からアプライアンスによるメールサーバ、セキュリティ、アーカイビングの製品提供に注力する。ソフトウェア製品との競合が激しいメールシステム市場において、アプライアンスにこだわり続ける理由を同社CEOのジェフ・ウィトウス氏に聞いた。

ウィトウスCEO

ITmedia メール市場ではIBM NotesやMicrosoft Exchangeなどのソフトウェアベースの製品が一般的ですが、アプライアンスによるメリットとは何でしょうか。

ウィトウス氏 ソフトウェアベースなら柔軟なメール環境を構築できますが、ハードウェアとソフトウェアが異種混在していることで、十分な運用効率を得られません。アプライアンスを使うことで導入が容易になる点が注目されますが、実際には運用効率が高まるというのが最大のメリットになります。

 日本の大手通信サービス会社は、われわれのアプライアンスを導入したことでメールシステムの年間の運用コストを10分の1以下にしたというデータもあります。製品開発ではアプライアンス利用によってユーザーの運用コストが削減されることを重視しています。

 しかし、すべての機能をわれわれのシステムに統合しなければならないということではありません。NotesやExchange、POP、IMAPもサポートしており、必要に応じて部分的にアプライアンスを導入したいという企業のニーズにも対応できるようにしています。

ITmedia コスト削減では、メールシステムを自社運用からWeb型サービスへ移行するケースや仮想化に取り組むケースが増えています。

ウィトウス氏 われわれ自身がWeb型サービスを展開する計画はありません。むしろ、われわれの製品を利用してパートナー企業がサービスを提供できることを支援しています。日本では富士通FIPがASPサービスを提供しているのが代表的です。製品も当初からホスティング型サービスでの利用を見込んだ開発を行っています。

 仮想化に関してはわれわれも注視していますが、さまざまな検証の結果、現状ではアプライアンスが最適だと判断しています。仮想化環境がアプライアンスを上回るメールの処理性能を実現できていない点や、運用効率もアプライアンスと同等ではありません。また、仮想化環境内のメールデータを正しく保持できるかという点で確実性の高い保証ができないのが現状です。

 われわれは現実を踏まえおり、逆にこれらの課題がクリアされれば仮想化環境へ積極的に取り組みます。顧客の利用効率やコストを考えれば、現時点ではアプライアンスがベストだと考えます。

ITmedia 国内でアーカイビングのアプライアンス新製品を発売しますが、海外ではどのようなユーザーの利用があるのでしょうか。

ウィトウス氏 メールサーバ製品のユーザーの2割がアーカイビングも利用しており、日本ではJ-SOXやコンプライアンスへの対応を理由に導入するケースが増えています。米国では「e-ディスカバリー」という民事裁判での電子データの開示制度を背景に導入するケースが多くあります。

 導入のきっかけはこうした法規制への対応が多いのですが、導入してすべてのメールを蓄積するだけというよりは、従業員の生産性向上へ活用するケースが増えています。ある市役所では市民からの情報開示請求に対して、従来はバックアップテープから必要なデータを探して開示するまでに平均6カ月を費やし、中には2年以上も費やしたこともありました。アプライアンスのバックアップシステムを導入したことで、この期間がわずか数日になり、担当者の負担が小さくなりました。

 今後、企業のスリム化が進めば蓄積された情報の活用がますます求められます。アプライアンスによるアーカイブの利用は必要な過去の情報を迅速に探すという点で効果を発揮するでしょう。

ITmedia 今後の製品展開ではどのような特徴を出していきますか。

ウィトウス氏 1つには各種機能をアプライアンス1台に集約することで、ユーザーがさらなるコストメリットを得られるようにします。すでにメールサーバとセキュリティの機能を統合した製品を提供しており、アーカイビングの機能も統合する予定です。

 特に中小企業のユーザー向けには、メールアーカイビングのWeb型サービスをパートナー経由で提供する準備を進めているところです。パートナーが新製品を利用して、アウトソーシング型やSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型など、エンドユーザーのニーズに応じた形態のサービスを提供できるように支援していきます。

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