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» 2009年03月30日 08時00分 公開

PHP on IIS:Webサーバ「100年の大計」を考えたプラットフォーム選択

「100年に一度」といわれる深刻な経済危機の中、ITプラットフォームにおいても将来を見据えた選択が重要だ。

[岡田靖,ITmedia]

重視すべきはTCOや将来性

 「100年に一度」といわれる深刻な経済危機。世界同時不況に陥り、多くの企業が大規模なコスト削減策に取り組まねばならない状況だ。とはいえ、単に今の苦境を乗り切るという短期目標だけでなく、その後の成長の足掛かりになるような中長期的な視点も欠かせないはず。

 その意味では、例えばコストに関しては初期導入コストでなくTCOで考えるべきだし、TCOを考える上では今後のIT環境の動向、セキュリティ動向などを考慮して判断することが望ましい。また、いつか再び景気が回復基調に戻った際にも企業の成長を支えていけるような、将来性のあるIT基盤を今のうちから検討しておくことが重要になる。

 その選択肢は、企業の業務内容や、その周囲の企業の動向、IT環境に対するポリシーなどによって、判断の分かれるところもあることだろう。とはいえ、IT市場の動向は、多くの企業に共通して影響を及ぼすものだ。特にWebアプリケーション実行環境などは、各企業の固有の要因よりも、IT市場全体の動きに左右されがちなもの。そこで今回は、このWebアプリケーション実行環境における、TCOや将来性について考えてみよう。

高セキュリティ運用を基本として判断すればTCOは商用OSがベターか

 まず、Webアプリケーション実行環境のTCOを検討するにあたっては、サーバの置かれた状況を吟味するところから始めよう。

 Webサーバへの攻撃は頻度が増え、内容も高度化する一方だ。攻撃に成功されてしまえば多大な損害が発生する危険もあるのだから、きちんと守っていかねばならない。当然、さまざまな防護策を施すと同時に、日々の運用の中でOSやミドルウェアのセキュリティパッチ適用を的確かつ頻繁に行わねばならない。TCOに占める運用コストの割合が非常に大きいことは言うまでもないが、より高セキュリティを目指す前提で考えれば、さらにその比重は大きくなってくる。運用コストを押し上げる最大の要因は人的コストであるから、「いかに負担を増やさずセキュリティを向上させた運用を実現できるか」という観点で考える必要がある。

 そのため、その運用に欠かせない情報やアップデートが的確かつ使いやすい形で提供されているか、運用を支援するツールの充実度はどれほどかを考慮するべきであろう。また、Webアプリケーション実行環境ではOSに加えてWebサーバやデータベース、スクリプト言語環境などのミドルウェアが必要となるが、それらを一括して運用しやすい条件が整っているかどうかも重要だ。さらに、人的要因としては、運用に携わるエンジニアの層の厚さや、運用をアウトソースするならそのアウトソース先の選択肢が豊富に存在するかどうか、といった点が大きなポイントとなる。

 これらの条件は、一般的にいってオープンソースよりも商用ソフトウェアの方が充実しているものだ。特にOSやWebサーバのような基礎部分において、例えばWindows Server+IISなどのようにほぼ一体となって運用できる環境が整っているものは運用負担の軽減に役立つのではないか。

基盤は上位層での混在運用が容易なものを重視

 一方、将来性に関しては、豊富なアプリケーションを選べる環境であった方が良い。Webアプリケーションはスクリプト言語に依存し、一部はデータベースにも依存するものであるから、これらのミドルウェアを一種類に固定してしまえば、将来的な選択肢を狭めることになりかねない。単一のOS・Webサーバ環境の上で、さまざまなスクリプト言語やデータベースを選択できるようにしていきたい。それも、十分なセキュリティや安定性、パフォーマンスが実現できるものが望ましい。

 先に挙げたWindows Server+IISでは、かつては.NETやSQL Serverの組み合わせが一般的であったが、近年になって特にオープンソースとの親和性が向上してきており、「WIMP」の記事でも紹介したようにPHPやMySQLなどオープンソースのミドルウェアも活用できるようになっている。またWIMPやWIPP、WISPなどの利用も進みつつある。例えばPHPスクリプトの実行でも、IISはApacheと遜色ないパフォーマンスが出ているという報告例がある。また、IISおよびSQL ServerとPHPを組み合わせて運用する際に役立つ「Microsoft SQL Server 2005 Driver for PHP」が提供されていたり、「Windows PowerShell」ではスクリプトベース処理が可能になって、オープンソース系管理者からも使いやすくなった上に、多数のサーバを一括して管理することも容易になっているなど、開発から運用まで幅広く支援するツール群も充実してきた。こういった動向は今後のトレンドの1つとして、ITプラットフォーム検討の際に考慮しておくとよいだろう。

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