Vistaには企業のセキュリティをより強固に守る各種のセキュリティ機能が搭載されている。ユーザーアカウントコントロール(UAC)は、ユーザーにアプリケーションを実行する許可を求める。完ぺきではなく、いら立たしいこともあるが、ユーザーが有害かもしれないコードを実行しようとしたときに、それを止める第2のチャンスを与えるという点で役に立つ。
また、Vistaのセキュリティは、IT管理者が社員のユーザー権限を制限することで強化できる。これで、社員が仕事だけできて、データを危険にさらすような行動(アプリケーションのインストールなど)ができない状況を作り出せる。
ブラウザに関しては、Internet Explorer(IE)の保護モードは、ネットサーフィンをすべてサンドボックス内で処理し、ユーザーがシステムロケーションにアクセスしにくくする。これだけで、管理者がユーザーのWebサーフィンを管理するのが容易になる。社員がマルウェアをインストールしないよう制限をかけられる。
これらはVistaのセキュリティを強化する多数の対策の一部にすぎない。だが、Vistaのセキュリティを評価するにあたって無視できないのは、問題に発展するのは、多くの場合、社員のうかつさだという事実だ。仕事用の電子メールで、知らない人から送られてきた添付ファイルを開けてはいけない。信頼できないサイトからソフトをダウンロードしてはいけないし、マルウェアのあるサイトにアクセスしてはいけない。だが問題は、社員がそれをやってしまうということだ。そうなったときに、Vistaがすべての脅威を完ぺきに防いでくれることは期待できない。
だから結局、われわれはVistaの本当の姿を見る必要がある――Vistaは完ぺきではないけれど、批判派が言うよりは優れているソフトウェアだ。企業においては、依然いい選択肢だと言える。
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