NEC、信用金庫向け携帯営業支援システムを発売

NECは、信用金庫の渉外担当者が、外出先から携帯電話を利用して顧客情報の照会や預り証の発行などを安全に行える「信用金庫向け携帯営業支援システム」を開発し、23日より販売を開始した。

» 2009年06月24日 17時07分 公開
[ITmedia]

渉外業務の生産性を15%向上

 このシステムはこれまで紙書類やハンディターミナルなどで行われていた渉外業務(訪問管理、顧客情報照会、集金・通帳・証書などの預り証の発行、商品情報照会など)について、携帯電話から信用金庫内に設置されているサーバに接続することで、外出先でも、最新の情報に基づいた顧客応対や、正確かつ迅速な業務の実施を可能とするもの。万一携帯電話を盗難などで紛失した場合でも、通信機能を利用した遠隔操作で、紛失した携帯電話内のデータを消去する機能などにより、高度なセキュリティも実現している。

 2008年4月にこのシステムを先行導入した東京港区に本店を置くさわやか信用金庫では、58店の渉外担当者約450人に利用されている。同信用金庫の渉外担当者はこれまで、専用のハンディターミナルを持って外出先で業務を行っていたが、その際、オフラインで利用するハンディターミナル内に情報が保管・蓄積されることで、盗難・紛失時の情報漏えいのリスクや社内システム内の最新情報の閲覧ができないといった課題のほか、ハンディターミナルの軽量化の要望が上がっていた。

 新システムでは、小型・軽量の携帯電話と営業支援サーバがネットワークで接続され、営業支援サーバに保管された情報を携帯電話から利用できるようになった。このため渉外担当者は予定外集金時に行っていた口座番号の手入力操作が不要となり、誤入力を防止するなど正確・迅速な集金業務の実現や、最新の顧客情報を把握した上での最適な提案が可能になったという。また、ハンディターミナル利用時と比べ、システム費用の圧縮も実現している。また渉外担当者の帰店後事務処理時間は1人平均30分〜1時間短縮され、渉外業務全体では約15%程度の生産性向上を実現した。

 このシステムでは、渉外業務で発生する預り証の発行については、携帯電話からBluetooth通信で接続しているモバイルプリンタで印刷し、即時発行を実現している。また携帯電話の利用により、カメラ機能を用いた担保物件などの撮影や、GPS機能と地図情報システムを連携させた災害時の渉外担当者の安否確認、携帯電話紛失時の調査なども可能になった。渉外担当者は携帯電話から営業支援サーバにアクセスして、業務処理や顧客情報の照会を行えるほか、訪問予定など必要最小限の情報を携帯電話にダウンロード・保管することも可能だ。

 集金や預かりに関する情報は、携帯電話の通信機能を活用して即時に営業支援サーバに送信できるため、リアルタイムな渉外業務管理を実行できる。従来のハンディターミナル利用時は、帰店後に端末のデータを営業支援サーバにアップロードする必要があり、これと比べ、業務のスピードアップとともに、渉外担当者の事務作業負担の大幅な軽減が可能になる。

 また渉外担当者が携帯電話から営業支援サーバにアクセスして顧客情報を照会する際、その画面上の顧客の電話番号をクリックすると、そのまま社内IPテレフォニーサーバを経由して顧客と通話することも可能だ。通話先(顧客)には、携帯電話の番号ではなく店舗の電話番号が自動的に表示され、顧客が折り返し電話をする際に店舗に直接つながる仕組みになる。

 価格は15店舗・携帯電話100台の場合で5000万円(税別)から。

携帯営業支援システムの活用イメージ(資料提供:NEC)

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