Twitterとマスメディアは連携できるかネットの逆流(20)(3/4 ページ)

» 2009年07月25日 11時45分 公開
[森川拓男,ITmedia]

誰がつぶやいているのか?

 Twitterのユーザーが爆発的に増加していく中で、いろいろな問題が発生しているが、その中の1つが「なりすまし」問題である。6月には、サイバーエージェントの藤田晋社長になりすました偽者のアカウントが登場し、指摘を受けた本人が、自身のアカウントの更新を再開するということがあった。

 事の発端は、ライブドア元社長の堀江貴文氏がTwitterを始めたことだった。堀江氏だけをフォローする形で始まった藤田社長のTwitterアカウント。しかし、社員からそのことを聞かれ、なりすましを知った藤田社長本人が、1年前に取得していたものの放置していたアカウントの更新を再開したというのがその流れだった。もちろん、本物が登場するまで、堀江氏も、そのほかのユーザーもなりすましアカウントを本人のものだと思っていたのは間違いない。藤田社長は「もちろん全然怒ってないですよ〜」とブログで語っているが、果たしてそれでいいのかは疑問だ。この事例でも分かるようにTwitterでのなりすましは簡単で、米国では訴訟にまで発展しているものもあるという。

 偽アカウントのなりすまし対策としてTwitterは6月8日、「Verified Accounts」という、アカウントが本物であることを認証するサービスを発表した。当面は、偽アカウントによる危険性の高い個人ユーザーとなっている。個人ユーザーに対しては、将来的に対象ユーザーを広げるというが、企業ユーザーは対象外という。

 わたしがTwitterを使っていて、なかなか興味深かったのは、とある国会議員による国会生中継だった。党首討論のときなど、タイムリーに眺めていたが、現場にいて無駄なヤジを飛ばすよりも分かりやすかったし、議員個人の意見も補足されていて、考えるきっかけも与えてくれたように感じた。まだまだ日本の政治家によるTwitter利用は少ないし、先の「なりすまし」などを考えると、いろいろ難しいところもあるだろう。国会議員などの場合は、積極的に「Verified Accounts」を使って認証してもらう必要があるかもしれない。

 現在ではTwitterを使う「Twitter議員」は増加していき、新聞やテレビなどといったマスメディアにも取り上げられるようになった。どちらかというと地方議員が多いようだが、積極的に活用している議員も多く見られ、今後に期待できるような気がしている。しかし、Twitter議員の前に、公職選挙法の壁も立ちはだかっている。政府見解ではTwitterのつぶやきが、公選法の定める「文書図画」に該当し、選挙運動と認められる場合は違法だというのだ。

 真夏の解散総選挙の中で、Twitterなどが活用できれば、面白いと感じていたが、やはり“ダメ”なのだ。早いところ、時代遅れの公選法から、ネット時代にも対応した公選法に改正して欲しいものだと思う。

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