IDC、国内オープンソースソフトウェア利用実態調査結果を発表

IDC Japanは、国内企業に対して行った「国内オープンソースソフトウェア利用実態調査」の調査結果を発表した。サポートへの不安はあるものの、業務アプリケーションでもOSSを使用しようと考える企業が増えているようだ。

» 2009年10月15日 17時17分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 IDC Japanは10月15日、国内企業に対して2009年8月に実施した「国内オープンソースソフトウェア利用実態調査」に関する調査結果を発表した。

OSS導入に関するプロジェクトの実施状況(出典:IDC Japan)

 国内企業3939社に対して行われた1次調査では、オープンソースソフトウェア(OSS)をすでに導入している企業は17.1%。導入の予定、および導入の検討まで含めると、42.1%の企業がOSSに関心を寄せていることが分かる。

 同調査では、1次調査でOSSをすでに導入している、もしくは導入を検討している企業1088社に対し、OSSの利用実態に関する調査も実施した。導入実績では、「Apacheを使用したWebサイトの開発」「Linuxサーバの新規導入」を行った企業がそれぞれ20%を超え、利用拡大が進んでいる。また、導入を検討する企業においては、「OSSのオフィススイートの導入」「WindowsサーバからLinuxサーバへの移行」など、サーバ/デスクトップを問わずOSSの利用を図ろうとする傾向がみられる。「OSSの業務アプリケーションの導入」も検討する企業が2割近く存在し、今後はOSS業務アプリケーションの利用も高まっていくとIDC Japanはみている。

 OSSを使用するメリットとデメリットについての設問には、メリットとして「導入コストの削減」「運用コストの削減」が上位となっており、ユーザー企業のコスト意識が高まっていることが分かるほか、ベンダーロックインを避けるためにOSSを利用する向きも増えてきている。

 一方、デメリットについては「緊急時のサポート対応が迅速にできない」が34.2%で最も多く、サポートへの不安はOSSにとって依然として最大の問題となっているほか、OSSプロジェクト自体の健全性を懸念する向きも少なくないとしている。米OpenLogicが9月に行った調査でも、単一ベンダーのサポートは敬遠されている傾向があり、エンタープライズ用途におけるコミュニティーからのサポートはまだ十分でないとみる企業が多いことが分かる。

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