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» 2009年11月27日 08時00分 UPDATE

アナリストの視点:位置・地図連動型広告の潜在能力 (1/2)

インターネットでは地域の学習塾の人材募集など、特定エリアの情報にしか興味のない人が相当数存在する。こうしたニーズをくみ取るエリアターゲティング広告が台頭している。同市場の潜在能力を分析する。

[中川太郎(矢野経済研究所),ITmedia]

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 「インターネットでは地域の学習塾や人材募集など、1エリアの情報にしか興味のない人が相当数存在する」

 ある大手ポータルサイトの担当者はこう話す。特定地域の情報に対するインターネットユーザーのニーズは非常に大きいということだ。これに応じて、特定の地域に対して自社や店舗を効率的にプロモーションしたいという広告主も多い。これをインターネット上で実現するのが「エリアターゲティング」であり、複数の手法がある。

エリアターゲティングの分類

 エリアターゲティングを大きく分けると(1)ジオターゲティング、(2)検索連動型広告、(3)位置/地図連動型広告の3つに分かれる。

 ジオターゲティングは、PCのIPアドレスを基に、国や都道府県といった粒度で地域を識別して、検索結果の画面に配信する広告を選ぶ手法だ。具体的なサービスとしてはサイバーウィングがポータルサイト「BIGLOBE」向けに提供しているバナー広告配信サービス「ジオターゲティングバナー」が代表例だ。

 検索キーワードに関連した広告を配信する検索連動型広告も、エリアターゲティングを実現する。検索キーワードとひも付いた地域広告配信に加え、ジオターゲティングの仕組みを使い、利用者の地域をも特定して広告を配信することもできる。代表例としては、米Googleの「Google AdWords」、ヤフーの「スポンサードサーチ」、コンテンツ連動型広告/行動ターゲティング広告「インタレストマッチ」が挙がる。

 地域をより細かく特定して配信する広告サービスを、位置連動型広告地図連動型広告と呼ぶ。位置連動型広告は携帯電話の位置情報を利用して、その場所に近くにある店舗の広告を携帯電話のブラウザ画面に送り込むもの。GPSやNTTドコモが提供する位置確認機能「iエリア」と連動させて、広告を配信する仕組みだ。一方、地図連動型広告は地図サイトで検索した地図や地域情報の結果画面に、関連する広告を配信するものだ。

広告分類 主要企業/サービス 概要
ジオターゲティング サイバーウィング「ジオターゲティングバナー」など サイトにアクセスした利用者の地域を特定し、地域性を考慮したバナー広告を配信するサービス
検索連動型広告 グーグル「Google AdWords」、ヤフー「スポンサードサーチ」など サイトにアクセスしたユーザーの地域の特定に加え、地域に関連したキーワードを設定することで、地域性を考慮したテキスト広告を配信するサービス
位置連動型広告/地図連動型広告 NTTレゾナント「エリアマッチ」、オプト「aisync」、シリウステクノロジーズ「AdLocal」、ディーツー コミュニケーションズ「iエリア検索連動広告」、mediba「ナビゲーションアド」、リクルート「ドコイク? 広告配信サービス」、インクリメントP「MapFan AdSpot」など 携帯電話の位置情報を利用して、現在位置に近い店舗のローカル広告を、携帯電話のブラウザ画面に送り込む広告配信サービス/地図サイトなどで、地図や地域情報を「検索」した際の結果画面に関連のある広告を配信するサービス

(表1)エリアターゲティングが可能な広告の分類

位置/地図連動型広告の市場動向

 インターネット広告では、何らかのターゲティングを実施する傾向が強まっている。その中でも注目を集めているのが、ジオターゲティングや検索連動型広告より細かな地域を特定して広告を配信できる位置/地図連動型広告である。

街ログ 街ログ

 位置/地図連動型広告には、ソネット・カドカワ・リンクの「街ログ」のように1つの媒体で多事業者の広告を配信するケースと、地図や路線検索、旅行サイトなどの媒体をネットワーク化して広告を配信するケースの2通りがある。インターネット広告のトレンドは配信媒体のネットワーク化、より細かなターゲティングであることから、ここでは後者の「媒体をネットワーク化して広告を配信するサービス」について分析を進めたい。

 景気の悪化に伴い、ネット広告を中心に展開していたクライアントは大きな広告予算をとりにくくなっている。そのため、全国規模に展開する大々的な広告ではなく、少ない予算で特定の地域に広告を出稿したいというニーズが高まっている。

 企業の検索連動型広告への出稿が増え、地域に特化した事業を手掛ける企業はインターネット広告への理解を進めている。広告主は、チラシやタウン情報誌への出稿と同じ感覚でインターネット広告を利用するようになった。その結果、地域に特化した広告を安価に出稿できる位置/地図連動型広告の引き合いが増えているのだ。

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