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» 2010年01月18日 09時07分 UPDATE

Weekly Memo:動き出した自治体クラウド市場 (1/2)

長崎県がこのほどサービスを始めた「自治体クラウド」を、他県にも積極的に提供していく方針を明らかにした。初めての自治体発のサービス提案に注目したい。

[松岡功,ITmedia]

長崎県が自治体クラウドを「外販」

 長崎県が1月13日、同県で運営している「自治体クラウドサービス」の今後の展開指針を発表した。最大のポイントは、県内だけでなく他県の自治体にも同サービスを積極的に提供していく方針を打ち出した点だ。こうした自治体発のクラウドサービス提案は、これが初めてのケースという。

weeklymemo0118.jpg 長崎県の自治体クラウドサービスのイメージ(県の発表資料より引用)

 長崎県の自治体クラウドサービスは、電子自治体の実現に向けて同県が開発した「長崎県電子県庁システム」をクラウド方式で県内自治体にサービス提供するもので、2009年12月にまず電子申請の受け付けサービスを開始した。今後、公共施設予約、電子決裁、グループウェアなどのサービスを順次、提供していく予定だ。

 自ら自治体クラウドサービスを行う意義について、同県は次の2点を挙げている。

 まず1つが「県民の利便性の向上と行政コスト削減効果の還元」。県内市町の電子行政を推進することにより、県民の利便性の向上を図ることが必要だが、財政面および人材面から市町が単独でシステムを構築・運用することは困難だとし、「県が低コストで開発したシステムをクラウド方式で提供することにより、県内のあらゆる地域で、安価な電子行政の実現を図ることができる」と説いている。

 もう1つが「地場IT産業の振興」。クラウドコンピューティングの出現によって全世界的に産業の集約化が進みつつある中、地方におけるIT産業が生き残るためには、ほかにはない独自性を持つことが必要としたうえで、「長崎県電子県庁システムは、ほかの自治体システムにはないユーザーの立場に立った高い操作性や、低コストで構築・運用できるという特徴を持っている」と強調している。

 さらに「そのような特徴を生かして他県の自治体での利用拡大を図ることにより、保守・管理業務の継続的な地場発注が可能になる。また、将来的にはシステムの運営を地場企業に委ねることにより、事業拡大にもつなげることができる」との展望を描いている。

 今回の発表で、いわゆる「外販」を積極的に進めることを打ち出した長崎県の電子県庁システムだが、実はすでに徳島県と和歌山県が導入を進めている。両県とも、初期構築段階の委託や初期運用時のソフトウェア保守については、同システムの開発・運用に携わった長崎県内の地場IT企業の協力を得ているが、安定稼働後の運用・保守はそれぞれの地場IT企業に委ねたいという意向もあるようだ。

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