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» 2010年01月28日 09時48分 UPDATE

e-Day:Sun統合の向こうに「うまい」「はやい」「やすい」はあるのか?

Oracleは「Hardware.Software.Complete.」をテーマに掲げたイベントを行い、Sunの買収完了を祝った。エリソンCEOは、統合された「ビジネスシステム」の提供とMySQLの投資継続を約束する。

[浅井英二,ITmedia]
ellison01.jpg イベントの模様はWebキャストで配信された

 Oracleは米国時間の1月27日、カリフォルニア州レッドウッドショアの本社で「Hardware. Software. Complete.」をテーマに掲げたワンデイのイベントを行い、Sun Microsystemsの買収完了を祝った。同社のWebサイトでは、3月以降、東京と大阪を含む世界70個所以上で「Oracle + Sun Welcome Events」を順次開催していくことも明らかにされている。

 Sun買収は昨年4月に発表されたものの、欧州委員会の承認に手間取り、世界的に企業のIT投資が冷え込む中、年が明けるまでジラされた格好だ。時差の関係で日本では28日早朝となったラリー・エリソンCEOのWebキャストでも、SPARC、Solaris、Java、MySQLといった、Sunの中核的な技術に対して今後も投資を継続することが強調された。

 「Sunには、エンジニアリングとイノベーションの伝統があり、SPARC、Solaris、Java、そしてMySQLは、Oracleの製品・技術をうまく補完してくれるものだ」とエリソン氏。

 チャールズ・フィリップス社長はかつて「統合されたOracleスタックによってIBMに打ち勝つまで戦い続ける」と話したことがあるが、それはこれまでにもエリソン氏が執念を見せてきた、IT業界の変革とコンピューティングの理想、いわば「うまい」「はやい」「やすい」に一歩近づくことでもある。

 「両社の統合によって、シリコン(プロセッサ)からアプリケーションに至るまで、完璧に統合された、箱から出してすぐに使えるビジネスシステムを顧客に提供できるようになる。それはこれまで以上に安く、速く、セキュアなものになる」(エリソン氏)

 その理想の姿のひとつが、「Oracle Exadata」だ。昨年9月半ばに発表された、Sunのハードウェア技術をフルに活用した「Sun Oracle Exadata V2」も記憶に新しいだろう。Sun FlashFireテクノロジーを使い、頻繁に利用される「ホットなデータ」をフラッシュメモリに移動することで、ハードディスクに対するランダムなI/Oアクセスのボトルネックを解消する。その容量もOracle Database 11g R2の圧縮技術を生かし、DRAMに数テラバイト、フラッシュメモリには数十テラバイトまで格納できるOLTPアプライアンスだ。

SPARC、Solaris、MySQLへの投資強化をコミット

 もちろんラリー氏は、オープンで、ほかのベンダーの製品とも柔軟に組み合わせて稼働できる単体製品としての強化も約束することを忘れない。買収完了に伴い出された顧客向けのステートメントでは、SPARC、Solaris、MySQLへの投資強化をコミットしている。

 「これまでどおり、ベストオブブリードのコンポーネントを開発し、顧客が選んだハードウェア、ソフトウェアと組み合わせて稼働できることも重要だ」とエリソン氏。

 Oracleは、Sunを含む、ここ数年の積極的な買収によって多くの技術や製品を手に入れたが、セグメントごとに主要なものは投資を継続してきている。意外なことに、Oracleは買収した製品や技術を上手く生かしてきたベンダーの1社なのだ。

 「われわれの狙いは、顧客の成功なのだ。データベースをとってみても、顧客セグメントごとに異なるさまざまな製品を既に持っている。MySQLも開発と販売の専任チームを維持し、強化を図っていく」とエリソン氏。MySQLの創業者らが買収反対の運動を展開したことを意識し、特に言及した。

 また、「SolarisとLinux、SPARCとIntelも同じだ。わたしはLinuxのファンだが、Solarisはハイエンドでとても競争力がある。SPARCは256コアまでスケールするSMPマシンを構成できる」とも付け加えた。

 「プレスやアナリストは、買収によってSunの社員は職を失うと書いたが、実際は逆だ。Sunは多くの既存顧客を抱えており、新たな商談も多い。向こう数カ月、2000人を増員する計画だ」(エリソン氏)

 今回の一連の発表では、OracleはITを「ビジネスシステム」と呼んでいる。顧客のビジネスの成功こそがITに期待されているからだ。景気が低迷し、売り上げが鈍化しているこの時期にはなおさらだ。「ビジネスシステムの購入、稼働、そして管理の在り方を変革したい」というエリソン氏のメッセージの向こうに「うまい」「はやい」「やすい」はあるのか。

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