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» 2010年02月09日 16時30分 UPDATE

伴大作の木漏れ日:「未来産業」のゆくえ (1/3)

今回の木漏れ日では、いつまでたっても暗い話題しか流れてこない現実から少し逃避して、「夢物語」の中で遊ぼうと思う。

[伴大作,ITmedia]

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 先日、某国産コンピュータメーカーの元偉いさんと昼飯を食べた。その時、彼から「未来の産業って何だろう」という質問を受けた。僕はとりあえず「鳩山由起夫総理が提唱している環境分野は間違いなく有望です」と答えた。

 それ以外にも幾つか有望な分野があるのだが、今回の木漏れ日では、いつまでたっても暗い話題しか流れてこない現実から少し逃避して、「夢物語」の中で遊ぼうと思う。

環境分野における産業の現状

 その席で、例の偉いさんに答えたが、一口に環境産業とひとくくりにできないくらいこの分野は多くの業種にまたがっている。環境という言葉でくくる方がむしろ不自然だ。環境産業は大別して、1)化石エネルギーに代わる新エネルギー、エネルギー代替、2)環境保全、浄化、再生、3)人間が作り出した危険物質の管理と除去、管理、固定化などに大別できる。

 CO2削減は、1)のエネルギーと3)の危険物の両方の側面を有している。太陽光、風力発電は代替エネルギーそのものだ。森林保護、植林のような自然保護、再生は2)環境問題に属する。廃棄物の再資源化は3)人間が作り出したものの管理に該当する。

 われわれ日本人には身近な、水質汚濁防止および改善は土壌再生、大気汚染、海洋環境保全および改善なども3)に属する。

 これらの管理を所轄する官庁も異なっている。1)エネルギーは経済産業省、2)は環境省総務省国土交通省が絡む。3)は経済産業省、環境省、農林水産省、厚生労働省と非常に多くの官庁が関係している。

 つまり、これらへの対策は一本化されていないということだ。また、それぞれの問題について基準や規制も異なっている上、利害も対立する場合が多い。従って、一概に環境分野の産業が「将来性有望」とはいえないのだ。さらに、先進国と開発途上国では環境に対する姿勢も哲学も全く違う。ゴミの再利用といわれても、彼らは既に余すことなく再利用している。中古車にしても、スクラップ同然の工作機械、家電製品も先進国からゴミとして輸出され、彼の地で立派に現役で活躍している。彼らが先進国の言い分をまともに聞くとは僕には到底思えない。

 僕は、環境分野の市場規模はメディアが騒ぐほど大きくないと考えている。どの国でもHV(ハイブリッド車)やEV(電気自動車)が走り回るとは到底思えない。むしろ、開発途上国では、所得水準が上がった結果として、先進国の燃費の悪い中古車が走り回るようになると考えている。

医療分野

 将来の産業として僕が最も期待している分野は、医療、介護、製薬だ。「誰もが注目している分野じゃないか」といわれるのは分かっている。だが、僕が将来性を感じている領域は他の多くの人の考えとは違う。確かに、ガンや糖尿病の治療薬、脳溢血や心臓疾患など血管性の疾患への治療方法、ウイルス性疾患への対策などは大きなビジネスチャンスだ。それに異を唱えたりはしない。僕が考えている将来有望な分野とは、診察、診断と保険衛生、それに調剤の分野だ。

 この分野の進化は案外遅れている。しかも、診断する医師の技量により、誤診とは言わないまでも100%適切な診察が行われているとは言い難い。機械化が遅れているため、生産性も悪い。

 調剤に関しても同じような状態だ。病院の傍らにある薬局で観察していると分かるが、案外、どの客も同じような薬を処方してもらっているケースが多い。これが純粋な民間企業なら客をできるだけ待たさないように努力をするのだが、どうも、客を待たせても気にしないようだ。中を見てみると、薬が入っている棚の周りを人が忙しく歩き回り、薬をいちいち取り出している。早い話が「人海戦術」であり、自動化とは縁のない世界といえる。

 今でも薬局で随分長い時間待たされるのに、高齢化が進み、患者の数が増加したら、現状の仕組みではさばききれない。介護の分野でも、人手に頼っているのは同じだ。すべて人が患者の介護を行っている。介護する人の個人差を考えると、サービスレベルを均一に保つのは不可能に近い。

 FA(ファクトリーオートメーション)をかじった人間なら分かるはずだが、このような場合、自動機あるいはロボットの導入により、労働者の生産性を上げる努力を図るのが一般的な解決手法だ。日本はロボット技術で世界の最先端をいっているが、それを医療、介護、薬事の分野に応用すればいい。

 これなら、人助けになり、おまけにお金になる。問題は法規制だけだ。それさえ解決すれば大きな市場が広がる。

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