Adobe、Android向け「Flash Player 10.1」β版をリリース

「Android 2.2」にアップグレードした端末では、新Flash Playerのβ版をダウンロードしてインストールできる。

» 2010年05月21日 15時10分 公開
[ITmedia]

 米Adobe Systemsは5月20日(現地時間)、Android向け「Flash Player 10.1」のパブリックβ版およびアプリ実行環境「AIR」の開発者向けプレリリース版を公開したと発表した。AIRに関しては、Adobe Labsのページからβプログラムに登録すると、β版SDKを入手できる。

 Flash Playerは、Adobe Flashのコンテンツを閲覧するためのプラグインツール。バージョン10.1のデスクトップ版は既にRC5になっており、モバイル版としてはAndroid向けβ版が2月に一部の開発者向けにリリースされていた。Android向けFlash Player 10.1は、同日発表された「Android 2.2」以降に対応し、同OS搭載の端末からのみダウンロードが可能だ。

 新版では、モバイル端末からもビデオ、アニメーション、ゲームなどさまざまなFlashコンテンツをPCと同様に再生できるようになった。そのために、モバイル向けの幾つかの性能強化が行われている。

バッテリー性能の最適化

 バッテリーの消費を抑えるために、インスタンス管理機能を追加した。これにより、Flashコンテンツの読み込みはWebページに表示されてから開始されるようになる。関連して、Webブラウザがバックグラウンドになると自動的にコンテンツの再生を一時停止し、前面に表示するとストップしたポイントから再開する機能も追加した。これにより、バッテリーの消費を抑えられるだけでなく、電話の着信時に即座に保留できるようになった。また、端末のスリープモードを検出してコンテンツ再生の停止を調整する機能も追加した。

パフォーマンスの最大化

 機械語命令を細かく最適化することで、モバイル端末で仮想マシン、レンダリングエンジン、メディアコーデックが効果的に稼働するようにしたという。可能な限り専用ハードウェアを利用するようにしており、例えばH.264およびAACのデコードと再生は、できるだけハードウェアで実行する。

メモリ保護

 コンテンツとアプリケーションが極力メモリを消費しないようにするための自動圧縮機能を追加した。メモリガベージコレクションシステムを改良したことで、場合によっては前バージョンの半分のメモリで稼働するようになったという。また、メモリが少ない端末でのクラッシュを回避するために、メモリを大量に必要とするコンテンツの再生でシステムが必要とするメモリが不足した場合、再生しているアプリを終了してメモリを解放する。

ユーザーインタフェース

 マルチタッチおよび加速度計による端末の傾斜の認識に対応し、ゲームアプリなどでの自動全画面表示機能を追加した。

 Android端末でのFlash Player 10.1へのアップグレードの時期と方法は各端末のOSアップデートの状況によるが、Android MarketからOTA(On The Air)でインストールできるようになる見込みだ。また、今後出荷される多くのAndroid端末にFlash Playerがプリインストールされるという。

変更履歴:本文中の「新版ではモバイル端末からもFlashコンテンツをフル再生できるようになった。」を「新版では、モバイル端末からもビデオ、アニメーション、ゲームなどさまざまなFlashコンテンツをPCと同様に再生できるようになった。」に変更しました。[2010/05/21 17:36]

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