富士通がCAと協業締結、クラウド事業の世界展開に布石

協業の第1弾は運用管理関連製品を相互にOEM供給すること。今回の協業によって両社は製品ラインアップの相互補完と市場拡大の足がかりを得ることになる。

» 2010年09月16日 18時00分 公開
[谷古宇浩司,ITmedia]

 富士通と米CA Technologies(以下CA)は9月16日、運用管理分野での戦略的協業を締結したと発表した。

 協業に基づき富士通はCAのアプリケーション性能管理ソフトウェア「CA Application Performance Management(CA APM)」を国内で販売する。一方、CAは富士通の業務プロセス管理ソフトウェア「Interstage Business Process Manager Analytics」をCAブランド(CA Business Process Performance Analytics)で販売する。販売地域は主に北米、欧州市場。

 両社は協業施策の第1弾として相互製品のOEM契約を結んだが、富士通のみがCA APMブランドをそのまま使用する。富士通 ミドルウェア事業本部長 新田将人氏は「CA APMの北米、欧州市場でのブランド力の高さを尊重した」と話す。

 今回の協業によって両社は、製品ラインアップの相互補完と市場拡大の足がかりを得たことになる。

 富士通はCAのアプリケーション性能監視製品を追加することで、インフラ管理、アプリケーション管理、業務プロセス管理という運用管理分野における主要3管理領域を網羅するツールをそろえることができる。

 CAは、業務プロセス管理領域に富士通の「Interstage Business Process Manager Analytics」を加えることで、運用管理分野全体をカバーする事業を世界中で展開することが可能になる。

 また、日本、アジア市場で強みを持つ富士通と北米や欧州市場で強い存在感を示すCAがそれぞれの販売力を生かし、OEM契約を交わした両社製品の市場占有率の向上を狙う。

 市場の拡大という観点からすれば、北米、欧州市場での拡販を狙いたい富士通にとって、CAとの本格的な協業は大きなチャンスとなりそうだ。CA日本法人の代表取締役 バスター・ブラウン氏が「(運用管理分野に限って言えば)日本市場と比較して、北米市場は競争が激しく、(Interstageのシェアは)限定的」とコメントすると、新田氏は「確かに、北米では(Interstageのシェアは)ほとんど見えない」と話した。

 なお、CAはNECとも6月にアプリケーション性能管理ソフト分野で協業を発表している。

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