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» 2011年06月18日 09時00分 公開

社員は原則フリーアドレス、働き方にこだわる日本HPの新社屋を見た (1/2)

日本HPは東京都江東区に建設した新本社での業務を本格的に開始した。勤務する約5000人の社員のうち、8割以上が自分専用のデスクを持たない“フリーアドレス”という徹底ぶりだ。

[國谷武史,ITmedia]

 「どうしても社内でなければ業務が難しい社員以外は、原則フリーアドレスです」――日本ヒューレット・パッカード(HP)は、東京都江東区に建設した新本社(愛称は「HP Garage Tokyo」)での業務を今春から本格的にスタートさせた。同社は以前からオフィスにしばられることなく業務ができる環境を推進してきたが、HP Garage Tokyoの内部は、これまでの取り組みをより具体化したレイアウトを採用した。

 HP Garage Tokyoは、これまで新宿区や杉並区など都内5か所に分散していた拠点を集約。新たな拠点で勤務する社員は約5000人。パートナー企業の関係者を含めると6000人近くになるが、社員の約8割は自分専用のデスクを持たない「フリーアドレス」という環境で業務を行っている。

 管理統括グローバルリアルエステート本部の加藤武彦氏によれば、固定席が割り当てられているのは、社内での業務が大半となる一部の管理部門や、業務の都合上から所有物が多い社員に限定されている。それ以外の社員は、技術部門を含めて業務する場所を固定しないという徹底ぶりだ。

 HP Garage Tokyoは、地上9階建てで1階に玄関や受付、ショールーム、ラウンジ、カフェテリア、コンビニエンスストアがある。2〜3階は商談や研究・開発、セミナーなどのフロア。3〜7階が執務室、8階がレストランやカフェテリア、9階がビル設備という構成である。社屋の中心部分は吹き抜け構造で、自然光の取り入れや換気などの機能のほか、開放感のある雰囲気を演出する役割も果たしている。

8階のカフェテリアスペース。ここでもフリーアドレスで業務ができる。そのための電源コンセントも完備(右)

 1つのフロアは東西が約55メートル、南北が約100メートルでサッカーコート1面分の広さだ。柱を外壁部に配置することで、執務室内は窓側から約17メートルの奥行きを確保し、社屋の中心部分と同様に開放感を実現。座席が決まっている社員以外のフリーアドレスの座席は、横長のテーブルと椅子という組み合わせから、カフェテリアのシートやレストランのボックス型のようなシート、小規模な会議スペースまでバリエーションに富んでいる。

フロア面の概要

 館内には無線LANによるネットワークが張り巡られているので、社員はオンライン状態のまま、室内を移動できる。連絡が必要な時は、ユニファイドコミュニケーションのクライアントソフトで相手の所在を確認して、連絡が取れるようになっている。ほぼ全ての座席に電源コンセントが用意され、個人席には盗難防止用のワイヤロックも完備。一部の座席にはIP電話や液晶ディスプレイ、デスクトップ型端末も設置しており、その場で本格的なミーティングができる。執務室やレストランやカフェテリア以外でも、例えば社屋中心部の吹き抜けの周囲には腰かけが用意されていて、ここでも立ち話やちょっとした打ち合わせが可能だ。

採光と換気の役割を果たす1階から9階までの吹き抜け。照明の電力やCO2の削減を実現するためにも重要という。各階の吹き抜け部の周辺もフリーアドレスの業務スペースになっている

 執務室のある1つのフロアには約1000人を収容できるが、このうち約700人分の座席がフリーアドレスである。座席数は全社員がぎりぎり座れるかどうかという規模だが、営業担当者のようにオフィス以外での業務が中心という社員が多いため、社内にいるのは平均で2000〜3000人ほどという。

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