EMCジャパンの「Symmetrix VMAXe」は、ハイエンドストレージ「Symmetrix VMAX」の高信頼性を引き継ぎつつ、価格を抑え導入性を高めたモデルだ。
EMCジャパンは7月20日、同社のストレージ製品「Symmetrix VMAX」のエントリーモデルと位置付けられる「Symmetrix VMAXe」を発表した。同日より販売と出荷を開始する。
VMAXeは、同社のラインアップで表現すればVNXとVMAXの隙間を埋める機種。VMAXはハイエンド市場を狙った大規模ストレージだったが、VMAXeはその信頼性を維持しつつ、ミッドレンジ市場での導入も視野に入れたモデルとなる。
「Virtual Matrix Architecture」も引き続き搭載する。ただ、VMAXでは最大8機のエンジンを搭載できるが、VMAXeでは最大4機とした。最小768キロバイト単位でデータを移動できるストレージの自動階層化機能「FAST VP」も備える。細かな点では、筺体一般的な19インチラックに収まるサイズとし、ユーザー環境への設置性が向上している。
またVMAXeの投入に合わせ、任意の時点にリカバリできるデータ保護ソリューション「RecoverPoint」のVMAXe版「RecoverPoint/EX」を標準添付する。フルバージョンのRecoverPointは、異機種混在のストレージ環境をサポートするが、RecoverPoint/EXについてはVMAXe同士、あるいはVNXやCLARiXとの接続に対応する。
ストレージの運用はGUI化された管理ソフト「Symmetrix Management Console」から行える。ハードウェアやソフトウェアは工場で構成済みの状態で納品されるため、ユーザーは導入に際し、最低限のセットアップをするだけでよいという。EMCジャパンでは「目安として半日あればVMAXeを稼働させられるだろう」としている。
VMAXについては、エンジンを1つだけ搭載した最小構成品「VMax SE」の価格が3000万円弱とされているが、VMAXeの参考価格は2000万円からとなる。VMAXの高可用性に興味があるが、そこまでの拡張性は必要ない――というニーズを狙ったモデルだと言える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.