NCLC、データセンター向け低価格スイッチ製品を発売 OpenFlow対応

NCLCは、データセンター向けレイヤ2/3スイッチ製品4モデルを発売。OSSの活用と生産の効率化により、同等スペックの他社製スイッチ製品と比較して価格を20〜60%抑えたという。

» 2012年04月05日 20時41分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo Pronto 3920

 エヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC)は4月5日、米Pica8のデータセンター向けレイヤ2/3スイッチ製品「Pronto」シリーズを発売した。オープンソースソフトウェア(OSS)の活用や生産の効率化により、同等スペックの他社製品と比べて20〜60%ほど安価に提供するという。価格は最上位機種の40GbE(Gigabit Ethernet)対応スイッチ「Pronto 3920」が154万5000円(税別)。4月18日に出荷を開始する。

 Prontoシリーズは、シスコシステムズやジュニパーネットワークスなども採用しているという汎用チップ「Broadcom Trident+ chipset」を搭載。一方、ソフトウェア面ではLinux 2.6をベースに、オープンソースのルーティングソフト「XORP」をデータセンター向けに改良して性能を向上させたという「XORPlus」を採用した。このほかODM生産(委託者のブランドで製品を設計、生産すること)の採用などにより、シスコやジュニパー、デル(Force10)などが提供する同等スペックのデータセンター向けスイッチ製品と比べて価格を抑えたとしている。

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 また、オープンソースの仮想スイッチ基盤「OVS」(Open Vswitch)の採用で、ネットワーク制御技術「OpenFlow 1.0」をサポートした。今夏までをめどに、最新版のOpenFrow 1.2にも対応させる予定という。

photo 関根社長

 NCLCの関根尚社長は、「昔は各社とも高価格・高付加価値のASIC(専用チップ)を採用していたが、今では高性能の汎用チップが使われているため、ハードウェア面での性能差はほぼない」と指摘。その上で、Prontoシリーズの提供を通じて「データセンター向け高性能スイッチの“コモディティ化”を推進していく」と強調した。

 10GbE×48ポートと40GbE×4ポートのアップリンクを搭載したPronto 3920のほか、Pronto 3920からアップリンクを除いたコストパフォーマンスモデル「Pronto 3780」、10GbE×4ポート搭載の「Pronto 3290」、Pronto 3290に二重化電源を搭載した「Pronto 3295」をラインアップする。価格はPronto 3780が121万2000円、Pronto 3290が32万3000円、Pronto 3295が35万6000円(いずれも税別)。

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 NCLCは、初年度でPronto 3920とPronto 3925を合わせて1000台、Pronto 3780とPronto 3290を合わせて600台の販売を見込む。

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