キヤノンMJグループが西東京データセンターを構築、クラウドサービスを大幅強化へ

都心から1時間以内でアクセスできる立地で、バックアップサイト利用にも対応。アウトソーシングサービスやクラウドサービスの中核施設となる。

» 2012年04月19日 12時01分 公開
[ITmedia]

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)とキヤノンITソリューションズ(CITS)は4月19日、東京西部地区で建設中の「西東京データセンター」の本格稼働を10月に開始すると発表した。同センターはアウトソーシングサービスやクラウドサービスの中核施設となる。

西東京データセンターの完成イメージ

 西東京データセンターは、都心から大規模な河川と渡河することなく1時間以内にアクセス可能な場所に建設されている。地盤強度が高いとされるN値が50以上の武蔵野台地の中央部に位置し、地震などによる建物の倒壊や火災、液状化などのリスクが低く、周辺標高も60メートル以上であることから津波や高潮による浸水の影響も受けにくいという。

 免震装置と制振ダンパーによる地震動の抑止は可能なほか、1平方メートル当たりの耐荷重は国内トップクラスの1.5トン、二重床の高さは1メートル。1ラック当たりの給電能力は平均6kVA、最大20kVAで、電力線や通信回線を二重化、72時間の稼働が可能な非常用自家発電機(N+1構成)を持つ。また最優先で燃料が供給される契約を複数の提供元と締結。ファシリティは日本データセンター協会が定める基準の最上位となる「Tier 4」に準拠している。

 建屋は地下1階、地上4階の5階建てで、1階に700ラック、2階と3階に800ラックずつの計2300ラックを収容できる。入口からマシンルームまでは生体認証や監視カメラ、特殊ゲートなど7段階の物理的なセキュリティ対策を構築。金融情報センター(FISC)のガイドラインに準拠した設備を有する。

 PUE値は国内トップクラスの「1.4」を達成する予定で、このために高効率の熱源空調機器やフリークーリングを採用した。

建設中の西東京データセンターの外観(左)と最新鋭の免震装置

 西東京データセンターは、キヤノンMJやCITSなどキヤノンMJグループのクラウドサービス「SOLTAGE」やグループ内のプライベートクラウド、アウトソーシングサービスの提供基盤として運用される。

 キヤノンMJグループではこれまでも都内や沖縄のデータセンターをベースにこれらサービスを長年提供。「運用サービスの業務設計から運用管理、改善、監視などをITILベースで提供し、災害時のバックアップサイトやディザスタリカバリサイトとしてのサービスも展開する」(キヤノンMJ)としている。また複合機やプリンタ、デジタルカメラなどのイメージング機器と連携するクラウドサービスなど特徴あるサービスも提供するという。

 将来的にはクラウドサービス他社との連携サービスやグローバ展開する日系や海外企業向けのサービス、キヤノングループ全体のプライベートクラウドサービスも提供する予定。キヤノンMJとCITSでは2015年に関連サービス全体で約500億円の売り上げを目指すとしている。

西東京データセンターの紹介ビデオ

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