データコアがストレージ仮想化の最新版、多彩な構成や管理ツールに対応

データコア・ソフトウェアはストレージ仮想化製品の最新版「SANsymphony-V R9」を発表した。

» 2012年07月04日 17時34分 公開
[岡田靖,ITmedia]

 データコア・ソフトウェアは7月4日、ストレージ仮想化製品の最新版「SANsymphony-V R9」を発売した。可用性を高めるシステム構成や仮想環境に対応した運用管理ツールとの連携が強化されている。

 SANsymphony-Vは、ハイパーバイザを利用してストレージを仮想化するソフトウェア製品。物理ストレージとサーバ群との間に配置することで、ストレージリソースをプール化してサーバに提供する。ストレージのハードウェアに依存することなく、ミラーリングやリモートレプリケーション、階層化、シンプロビジョニングなど各種の機能を利用できるのが特徴という。

SANsymphony-V R9の新機能

 これまでのバージョンでは2台のハイパーバイザを対にするシンプルなHA構成に対応したが、最新版ではこれを4台までとする「N+1 Redundant Grid」を可能にした。仮想ディスクごとにハイパーバイザを振り分け、負荷を分散させながらHA構成を組むといった多彩な組み合わせを利用できる。今後は最大8台構成にも対応する計画という、リモートレプリケーション機能も強化し、「1+1」から「1+n」「n+1」の構成を組めるようになった。

N+1 Redundant Grid機能の利用イメージ

 さらに管理性も向上させ、新たに「グループオペレーション」機能を搭載。複数の仮想ディスクをグループ化し、一元的な運用と監視を可能にした。また新機能の「リソースのヒートマップ表示」では入出力が集中する部分をマップとして視覚的に表示する。「リソースの自動リバランス」機能では各リソースの最適化を自動的に実行できるようにした。システム情報のレポート機能も搭載している。

 外部のシステム管理ツールとの連携も強化。「VMware vCenter」「Microsoft System Center Operations Manager」「Hitachi IT Operations Analyzer」などプラグインを提供している。例えば、vCenterの管理画面でSANsymphony-Vの仮想ディスクの状態を表示したり、スナップショットを作成してタスクとして運用したりできる。なお、SANsymphony-Vの管理画面からvCenterに接続して、仮想マシンの情報や管理できるようになっている。VMwareとの連携ではvStorage API for Array Integration(VAAI)や Site Recovery Manager(SRM)などもサポートされ、VMware側の負荷をオフロードしたりDRプロセスを自動化したりできるようになっている。

システム情報レポートのイメージ例

 ライセンス価格は管理するストレージ容量に応じて段階的に設定される。最小規模(5テラバイト)での価格は43万2000円(税別)となる。

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