クライアント仮想化の導入に積極的なのは「金融」 IDCが先進ユーザーを調査

IDC Japanはクライアント仮想化の導入で先進的なユーザー企業の傾向を分析した。

» 2012年09月11日 11時29分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは9月11日、クライアント仮想化ソリューションの動向について先進的なユーザー企業の導入事例を分析した結果を発表した。導入に成功した企業は、「導入に際する障壁が特になかった」ことが特徴として挙げられ、定量的・定性的な導入効果を試算している点も注目されるという。

 産業分野別で導入率が高いのは、金融や情報サービス、自治体、大学、医療で、特にセキュリティ対策を重視する銀行、生命保険、損害保険などの金融業界での導入が進んでいる。また、シンクライアントやプレゼンテーション仮想化は、一般企業のオフィスで使用され、これまでは定型業務向けが主流だった。VDI(デスクトップ仮想化基盤)やDaaS(デスクトップ仮想化サービス)、モバイル仮想化などの技術の進化と、ネットワークの進化やスマートデバイスの出現で、銀行の勘定系システム、小売の流通在庫系システムなどの基幹業務、病院や工場などでの現場活用など、適用領域が拡大した。

 先進的なユーザー企業は、生産性向上を目標に積極的にITを経営に取り込んでいるという。仮想化技術は製品、サービス、ソリューションなどに取り込まれ、特にモバイルデバイスを業務に取り込むための技術として期待されるとしており、同社はモバイル仮想化が今年から拡大基調に入るとみている。

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