iPhone 5、毒性物質含有テストで“低懸念”の高評価──iSuppliとHealthyStuff.orgの共同調査で

スマートフォンの部品にどの程度水銀や鉛などの有害化学物質が含まれているかを分析した調査で、AppleのiPhone 5はSamsung GALAXY S IIIやHTC Evo 4Gより高い評価を獲得した。

» 2012年10月04日 09時53分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米調査会社のIHS iSuppliは10月2日(現地時間)、米Appleの「iPhone 5」を含む36機種のスマートフォンの「毒性物質含有率」調査の結果を発表した。iPhone 5は米Google傘下のMotorola製「Citrus」などとともに“低懸念”という高評価だった。

 isuppli 1 iPhone 5の総合評価は2.8

 この調査は、非営利の環境衛生調査団体HealthyStuff.orgと共同で、蛍光X線分析器などによって行った。部品に含まれる臭素、水銀、鉛などの有害化学物質を、筺体や基盤、ボタンなどに分けて分析し、0〜5点(低い方が含有率が低い)で評価した。

 その結果、最も評価が高かったのはMotorola Citrusの2.56点。iPhone 5は2.75点で低懸念だが、前モデルの「iPhone 4S」(2.69)より含有率が高くなっている。Appleが2007年に発売した初代iPhoneは5.0と“高懸念”の最低評価だった。韓国Samsung Electronicsの主力スマートフォン「GALAXY S III」は“中懸念”の2.99。

 isuppli 2 スマートフォンの毒性化学物質含有評価(資料:IHS iSuppli)

 高懸念となった機種はいずれも2010年以前に製造されたものであり、全般に有害物質の採用は近年減少してきているという。

 有害化学物質を含むスマートフォンを日常的に使うことが直接健康に影響することはないが、廃棄されて埋め立てに使われたり焼却された場合は地下水や空気に影響を及ぼす。米国では毎年1億3000万台の携帯端末が捨てられており、リサイクルされるのはそのうちのわずか8%という。

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