ビッグデータの取り込みや分析も可能に、インフォマティカが基盤製品群を刷新

インフォマティカは、データのETLや統合、分析、管理のための基盤製品群の最新版「Informatica 9.5」を発表した。

» 2012年10月31日 15時28分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 インフォマティカ・ジャパンは10月31日、データ活用のための基盤製品群の最新版となる「Informatica 9.5」を発表した。ソーシャルメディアやモバイル、センサ機器などのビッグデータの抽出から分析、データの品質管理業務を支援する機能などが追加された。

 Informatica 9.5は、データ連携・統合の「PowerCenter」や、データ抽出の「PowerExchange」、データ複製の「Data Replication」、複合イベント処理の「CEP」、品質管理の「Data Quality」、マスターデータ管理の「Informatica MDM」、データの特定・分析の「Data Explorer」、ライフサイクル管理の「Application ILM」、企業間データ交換の「B2B Data Exchange」などの製品で構成される。

最新版製品群でのソリューションイメージ

 製品単独および製品連携で可能になる新機能としては、ビッグデータ対応の強化が最大の特徴になる。TwitterやFacebook、LinkedInなどのソーシャルメディアのデータを容易に取り込めるテンプレートを用意するほか、モバイルデバイス関連のデータ、RFIDなどセンサ機器のデータの取り込みも行える。これらデータの処理ではHoopと連携し、EMC GreenplumやHP Verticaといったビッグデータ分析製品とも連携する。

 また、Data Explorerで自然言語処理が可能になり、ソーシャルメディアのデータからキーワードやデータ項目に基づく情報を抽出できるようになった。現状では英語文章に対応するが、今後は日本語対応も進める予定だという。Data Explorerではこのほかにも、Enterprise Discoveryという機能で、任意のデータの中から特定のデータを把握したり、関連性などを分析できるようにした。例えば、この機能を使って複数のデータベースの統合でクレジットカードセキュリティ基準(PCI DSS)に関連するデータを自動的に抽出し、マスキングや暗号化などの措置を行うことができるという。

ビッグデータの連携イメージ

 Data Qualityでは人手を要するデータ管理業務のワークフロー機能を提供する。ガバナンスに基づく業務の遂行や担当者への割り振りなど、煩雑なデータ管理業務の効率化を支援するとしている。

 製品発表に合わせて来日した米Informatica ビジネス開発担当バイスプレジデントのマイク・ピケット氏は、「ビッグデータを企業の情報資産に位置付け、これをいかに活用するかが肝心だ。最新版製品で例えば、SNSから自社サービスの評価に関する膨大なデータを取り込み、抽出、統合、分析を経て適切な情報を導き出せるようになる」と説明する。ビッグデータ分析には、その前段階におけるデータの最適化が重要だと指摘した。

 インフォマティカ・ジャパン 代表取締役社長の吉田浩生氏は、今後の注力分野にマスターデータ管理、ライフサイクル管理、クラウドデータの統合に挙げ、ソリューション製品を展開すると表明。重視する顧客企業の業種は金融や製造、医薬、通信分野とし、顧客企業へのヒアリングに基づく製品開発も推進する考えを明らかにした。Informatica 9.5は年内のリリースを予定している。

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