通信環境に応じてプロトコルを自動選択する技術、富士通研が世界で初めて開発

仮想デスクトップではTCPを利用する場合に比べて、より快適に操作できることを確認したという。2013年度中に実用化を目指す。

» 2013年03月07日 12時32分 公開
[ITmedia]

 富士通研究所は3月7日、通信を伴うアプリケーションの利用環境に応じて最適な通信プロトコルを自動的に選択する技術を世界で初めて開発したと発表した。この技術を適用した通信ミドルウェアを2013年度中に実用化する計画だという。

 開発した技術は、通信環境やアプリケーションの種別といった利用条件ごとに通信プロトコルの特性をモデル化しておき、実際に利用する環境に最も適したモデルを瞬時に推定して選択する。同社によれば、TCPを利用した場合に比べて、仮想デスクトップを快適に利用できることを確認したという。

開発した技術のイメージ

 ファイル転送や仮想デスクトップのようなアプリケーションではTCPが標準的に用いられるが、通信環境が悪化するとパケットロスなどが発生して、ロスしたパケットを再送するために遅延などが起きてしまう。ロスしたパケットを再送せずに通信での誤りを訂正する方式もあるが、CPU負荷が高まるなどの課題があった。

 この技術を活用することで、例えば、モバイル端末では移動中に通信環境が変化しても、安定してアプリケーションを利用でき、データセンター間通信では使用するアプリケーションの種別に応じて、最適なプロトコルを自動選択できるようになるといった効果が期待されている。

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