M2M市場のビジネス動向はいかに? IDCが分析

機器とネットワーク介して情報を授受し、ビジネスに活用する「M2M(Machine-to-Machine)」のビジネス動向について、IDCが調査結果を発表した。

» 2013年07月09日 12時51分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは7月9日、国内M2M(Machine-to-Machine)サービス市場のビジネス動向分析結果を発表した。同市場が急激に拡大する傾向にあると指摘している。

 同社では「M2Mサービス」の定義を、「あるサービスの利用プロセスの一部、またはプロセス全体において、機械同士が主体となって自動的な通信を行うことにより、そのサービス全体としてなんらかの付加価値をエンドユーザー側に生み出すもの」としている。

 M2Mの概念自体は10年以上前から存在しているといい、同社でサービス提供主体となっている通信事業者や大手ICTベンダー、通信モジュールベンダー、通信機器ベンダー、サービスプロバイダーなどにヒアリングしたところ、2012年度の事業者のM2M関連収益は、前年度比で10〜20%程度成長していることが分った。

 M2M市場で中心的存在となる通信事業者や大手ICTベンダーは、ビジネスの活性化に向けて「パートナー拡大」「グローバル拡大」「業種/業種間連携拡大」「コンシューマー拡大」の4つの軸に向けた取り組みを強化させているという。

 まず通信事業者は、SIerやM2Mサービスの2次提供者との「パートナー拡大」、通信回線を世界規模でシームレス化することでの「グローバル拡大」、新ビジネスの発掘による「業種/業種間連携拡大」、エネルギー分野における「コンシューマー拡大」などの動きが顕著だとしている。

 また、大手ICTベンダーでは自社プラットフォームを中心とする「パートナー拡大」、クラウドの利点を生かした「グローバル拡大」、ビッグデータ活用を基軸とした「業種/業種間連携拡大」、ホームネットワーク分野における「コンシューマー拡大」などの動きが顕著にみられるという。

 同社コミュニケーションズ リサーチアナリストの鳥巣悠太氏は、さまざまなプレーヤーが互いにWin-Winになれるエコシステムの構築が市場発展に必須とし、「M2Mサービスに関連する法規制の緩和や、M2Mサービスをエンドユーザーに提供する上での水平分業化を促進していくための施策を強化するべき」とコメントしている。

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